みなさんこんにちは。ナガと申します。
今回はですね実写映画『かぐや様は告らせたい』についてお話していこうと思います。
正直に申し上げて、これが1本の映画としてきちんと完結しているのかどうかって微妙なラインですね。
基本的に原作やアニメのプロットや演出、ナレーション等の再現してはいるんですが、これを映画で見せられると・・・という感じはしました。
昨年の12月に公開された実写版『ニセコイ』もなかなかの際物だったんですが、こちらはもう2.5次元ムービーとして振り切っていたというか、3次元を2次元化するというアプローチだったので、まだ見れました。
ただ、今回の実写映画『かぐや様は告らせたい』はとにかく中途半端で、さらには福田監督リスペクトを安直にやってるのがまた鼻についてイライラとします(笑)
正直に言っておすすめできるような内容ではないのですが、本作の良い部分も悪い部分も両面的に書いていければと思います。
本記事は作品のネタバレになるような内容を含む感想・解説記事となっております。
作品を未鑑賞の方はお気をつけください。
良かったら最後までお付き合いください。
目次
実写映画『かぐや様は告らせたい』
あらすじ
将来を嘱望されたエリートたちが集まる私立・秀知院学園の中で、特に秀でた1組の男女が生徒会長・副会長を務めていた。
生徒会会長を務めるのは白銀御行で、常に勉学に励み全国模試上位常連になったことやボランティア活動などに取り組む模範的な姿勢で圧倒的な支持を集めていました。
一方で副会長を務めるのは四宮かぐやで、大財閥令嬢で容姿端麗、それでいて多様な芸事に秀でており、こちらも学内からの支持は厚かった。
2人は、互いに惹かれ合いながらも、高すぎるプライドが邪魔をしてしまい、告白できずにいた。
頭脳明晰なのも相まって、常に策を練り頭脳戦を繰り広げ、空回りを繰り返す日々。
それでも、2人のお互いに対する恋心は高まっていき、少しずつ距離は近づいていく・・・。
スタッフ・キャスト
- 監督:河合勇人
- 原作:赤坂アカ
- 脚本:徳永友一
- 撮影:花村也寸志
- 照明:永田英則
- 編集:瀧田隆一 田端華子
- 音楽:遠藤浩二
- 挿入歌:DAOKO
監督を務めるのは河合勇人さんで、彼は『俺物語!!』や『チアダン』そして昨年末の『ニセコイ』などの作品を監督してきました。
『俺物語!!』は王道の少女漫画実写として完成度が非常に高かったですし、『チアダン』も所々演出に気になる点はありましたが、全体として比較的悪くない内容です。
『ニセコイ』についても冒頭に触れたように、振り切っていて「これはこれで面白い!」って感じだったので、作り手の意図がきちんと見えたという点で評価はしています。
加えて、脚本の徳永友一さんは今年の2月に公開された『翔んで埼玉』の立役者でもあるので、こちらも非常に楽しみにしておりました。
この2人がタッグを組んだということで、この手の邦画を見ている人からすると、かなり期待できる作品だったと思うんです。
ただこの2人の良くない部分が掛け算式に増幅されてしまったのが、この映画なのかな・・・と。
撮影には『チアダン』や『センセイ君主』などにも参加した花村也寸志さんが、照明には近年の黒沢清監督作品でも重用されている永田英則さんが起用されました。
劇伴音楽には、様々な邦画に携わっている遠藤浩二さんが、挿入歌にはDAOKOさんの「はじめましての気持ちを」が使われました。
- 白銀御行:平野紫耀
- 四宮かぐや:橋本環奈
- 石上優:佐野勇斗
- 柏木渚:池間夏海
- 藤原千花:浅川梨奈
- 早坂愛:堀田真由
- 翼:ゆうたろう
- 白銀の父:高嶋政宏
- 田沼正造:佐藤二朗
本作のメインキャラクターである白金と四宮には、それぞれ平野紫耀さんと橋本環奈さんが起用されています。
この2人については後程もう少し詳しくお話しますがキャスティングそのものは素晴らしかったと思います。
そして、藤原千花役を浅川梨奈さんが演じていますが、こちらも2次元の世界から抜け出してきたかのような出で立ちと振る舞いで、圧巻でした。
とにかくこのキャスト陣の熱演を脚本や演出が全て台無しにしてしまったような感触ですね。
より詳しい情報を知りたいという方は、映画comもチェックしてみてください!
実写映画『かぐや様は告らせたい』感想・解説(ネタバレあり)
原作・アニメと比較して
『かぐや様は告らせたい』は赤坂アカさん原作のマンガが原作となっております。
そして今回の映画版は、原作のエピソードをかいつまんで繋ぎ合わせて、そこに生徒会選挙編をオリジナル展開に置き換えて、1本の映画に纏めたという流れです。
- 映画に誘わせたい
- ババ抜きをさせたい
- かぐや様はよく知らない
- 白銀御行は隠したい
- かぐや様は愛でたい(猫耳の描写のみ)
- かぐや様は堪えたい
- 藤原書記は見舞いたい
- 四宮かぐやについて
- かぐや様は許したい
- 白銀御行は出会いたい
- 早坂愛は浸かりたい
- 花火の音は聞こえない
- かぐや様は避けたくない
ここにもう少し後の展開に当たる生徒会選挙編や「恋の病」の話なんかを加えてある形です。
エピソードのチョイスの仕方は正直、「花火の音は聞こえない」を作品の山場に持って行く構成なのであれば、良くなかったと言えるでしょうね。
というのも花火のエピソードって白金と四宮の恋愛物語における1つのゴールでもあるんですが、それ以上に生徒会の友情譚としても大きなカタルシスなんですね。
加えて言うと、後の生徒会選挙編はより生徒会の友情譚に該当するエピソードといえます。
ここを際立たせようと思うと、石上の赤点回避編や藤原千花が幼少の頃から四宮の友人であったことなどに触れておく必要があったでしょうね。
全体的に言うと、今回の映画は構成があまり優れておらず、その最たるものがエピソードの選択と物語のゴールの設定の不一致かと思います。
そうなんですよね。原作では彼女がガラケーを使っていることに纏わるエピソードがあるので、それほど疑問に感じることもないのですが、今回の実写版では、その辺りの説明がないんです。
そのためなぜ四宮がガラケーを使っているのか・・・という部分が謎のままなんですよね。
こういったとりあえず原作を踏襲してみたけれど、本編で触れきれずに放置されていた点がいくつか見られ、割り切って改変してしまえば良かったのに・・・とは思いました。
(ちなみに原作では、四宮は重度のITオンチという設定で、そのためスマホを使いこなせないということになっています。)
10分完結のエピソードを10本繋げて映画にしちゃった!
『かぐや様は告らせたい』は原作もアニメも基本的には1話完結の短編を積み重ねていくスタイルなので、先ほども申し上げたように今回の映画版はある意味では原作に忠実です。
10分程度で終わる短めのエピソードを繋ぎ合わせて1本の映画にしたという構成は、実は『かぐや様は告らせたい』らしいという側面もあるのです。
ただやっぱり1本の映画のプロットとして見ると、あからさまにテンポが悪い上に1つ1つのエピソードの繋がりが雑なので、プロットや登場人物の関係性の積み重ねが希薄なのです。
こういう構成でもマンガやアニメでもある程度ストーリーが成立してしまうのは、やはり週刊連載、毎週放送という特性ゆえでしょう。
1本1本の密度が薄くても、ある程度質よりも量で勝負できてしまいますから、その1話完結の短編を何本も積み重ねることで、最終的には自分の中である程度まとまった作品として認識できます。
『かぐや様は告らせたい』の原作やアニメは、1本1本のエピソードは生徒会の何気ない日常を巡る頭脳戦であって、それ以上でもそれ以下でもありません。
ただ、その何気ない日常に1本の作品として「積み重ね」になり得るエッセンスが微量ではありますが内包されていて、それによりキャラクターの関係性がきちんと構築されていくんです。
今回の実写映画版の1つの山場は、やはり花火のエピソードということになるんでしょうが、これが白金と四宮の恋愛の1つの到達点でありながら、生徒会の友情を描くものでもありました。
原作やアニメでは、この花火のエピソードに至るまでに、日常のエピソードをかなり積み重ねてきているので、友情と恋愛の両柱ですと言われてもすんなり受け入れられます。
一方の実写映画版は、基本的にエピソードの積み上げ方が、白金と四宮の恋愛にフォーカスしているので、生徒会のメンバー間の友情という側面ではすごく弱いんですね。
それにも関わらず、花火大会以降のエピソードでさらに「生徒会の友情」推しなオリジナルエピソードをぶっこんで来るので、作品の軸がブレてしまっています。
やっぱり100分程度の映画なので、もう友情と恋愛の両柱で行くのではなくて、あくまでも白金と四宮の恋愛に特化して、エピソードの積み上げから山場の盛り上げまで一貫して組み立てたほうが得策だったような気はしています。
「友情」について掘り下げるのであれば、エピソードの選び方を変更するか、原作やアニメ尊重の作品構成そのものを変える必要があったでしょうね。
このあたりが瞬間瞬間ではアガるシーンがあるのですが、作品全体で見ると、ぼんやりとしている理由の最たるものかと思います。
私個人としては、花火のシーンがDAOKOさんの「はじめましての気持ちを」も相まって、すごくグッときたので、ここをゴールにして作品の終盤に配置し、もう少し生徒会の友情のエピソードをプラスするのが良かったとは思っています。
あと終盤の生徒会選挙編なんですが、これがあまりにも酷いのが、恋愛頭脳戦じゃなくて、ただの選挙戦をしているんですよね(笑)
まあミコを登場させると、キャラクターが増えてしまい話が散らかるので、できないというのは理解できるんですが、それにしても四宮を立候補させてしまうと、恋愛関係なくなってしまうという・・・。
このあたりも、花火大会以降のエピソードの蛇足間に繋がっているような気がします。
キャスティングは悪くないぞ!
マンガの実写版が公開されると、とりわけ目立ちやすいキャスティングの部分が批判の対象に挙げられます。
もちろん人気俳優をとりあえず起用して、話題作り目的のキャスティングも目立つのは事実ですが、今作についてはその辺りはクリアしているように見受けられます。
まず、白金と四宮を演じた平野紫耀さんと橋本環奈さんはすごくハマり役でした。
平野紫耀さんは2018年公開の映画『honey』で初めて演技を見たんですが、正直俳優向きではないのかな?と思っていました。
声がハスキー気味で癖があるため、演じられるキャラクターがかなり限られるのかな?という印象があり、その上あまり演技も上手くなかったということもあり、正直良いイメージはありませんでした。
ただ、今回の『かぐや様は告らせたい』に関して言えば、その堂々としたルックスと裏腹にハスキーボイスが良い味を出していて、絶妙に原作やアニメの白金の雰囲気を出せていました。
(C)2019 映画「かぐや様は告らせたい」製作委員会 (C)赤坂アカ/集英社
先日拝見したモニタリングに出演していた時も、ドッキリの中ですごくビビりやすい一面を覗かせていて、その怯えている少し手を差し伸べたくなるような弱弱しさがまた白金を演じる上で良い方向に働いたと思います。
四宮を演じた橋本環奈さんはやはりコメディメイドな演技をさせると、抜群に映える女優ですね。
福田雄一監督の『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』で一気にその才能を開花させたような印象がありますが、とにかく顔芸からちょっとした動作に至るまで全てが非常にコミカルなのです。
また「1000年に1度の美女」と呼ばれながらも、そういったイメージとは真逆の振り切った演技を見せてくれるので、見ている我々もそのギャップに思わず笑ってしまいます。
そしてもう何と言っても橋本環奈さんは可愛いんです!!
(C)2019 映画「かぐや様は告らせたい」製作委員会 (C)赤坂アカ/集英社
いやもちろん当たり前のことなんですが、3次元で最も顔面偏差値が高い女優の1人でもある彼女であれば、2次元の美少女にも対抗出来てしまうということが、この映画である程度証明されたといっても過言ではありません(笑)
それくらいに次元を超越した可愛さだったので、もう彼女が演じて無理であれば、他の誰が演じても無理だろうと思いましたし、そういう意味でも適役だったと言えるでしょう。
そして今回の『かぐや様は告らせたい』において影のMVP的存在といえるのが藤原千花を演じる浅川梨奈さんでしょうね。
(C)2019 映画「かぐや様は告らせたい」製作委員会 (C)赤坂アカ/集英社
ここについては2.5次元を追求した『ニセコイ』での監督の経験が生きているように思いました。
正直に申し上げると、絵面的にはしんどいんですが、それでも千花として振り切った演技に終始した浅川梨奈さんは称賛に値すると思います。
といった具合に本作のキャスト陣は、思った以上にハマり役の方が多く、そこについては比較的安心して見れたように思います。
佐藤二朗はいらないかな・・・
佐藤二朗さんといえば、福田監督作品でのアドリブ全開の独特の演技で話題になっている俳優です。
福田監督の作品は基本的にアドリブ重視なので、その点で彼の演技は重宝されます。
『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』を初めとする作品では、アドリブでセリフをガンガン出していき、他のキャスト陣が笑いすぎて演技ができなくなってしまうという一幕もあったようで、欠かせない存在とも言えます。
ただ、今回何を思ったのか河合勇人監督は、福田組における佐藤二朗さんをそのまま自分の作品にトレースしてしまうという暴挙に出ました。
福田監督は、佐藤二朗さんに作品内の自由を与えてはいますが、あくまでも自分でコントロール権は持っているように思います。
そのため彼の演技を見ながら、それが作品から浮かないように演出や他のキャストの演技を調節して、佐藤二朗さんの演技が作品が壊れない範疇で引き立つラインを突いてきます。
ただ今回の『かぐや様は告らせたい』は、明らかに彼の演技の暴走をコントロールできていないので、作品の中で浮きまくり、ただただ物語のリズムを壊しているだけの不協和音になっていました。
ターゲット不明の映画へのオマージュたち
今作『かぐや様は告らせたい』は、基本的に映画館の客層を見ても、かなり若い層をターゲットにした作品であることは明白です。
公開初日も土曜日も動員ランキングでは1位に君臨していて、ヒットはしているのですが、今作の映画・ドラマオマージュネタはもう少し高めの年齢向けのネタがちらほらと見受けられ、面白かったですね。
例えば、序盤の映画館の白金と四宮のランデヴー演出はスパイ映画的というか、ブライアン・デ・パルマ風というか、『ミッションインポッシブル』的でもありました。
あとは、四宮が熱を出すと「甘えんぼ」になると聞かされた白金の妄想が完全に『2001年宇宙の旅』になっていました。
(C)2018 Warner Bros. Entertainment Inc.
他にもこれは意図してやっているのかは不明ですが、白金が終盤にステージでソーラン節を踊るシーンなんかは学園もの繋がりで金八先生を思い出しました。
まあ若い人向けという点では昨年盛もヒットした邦画である『コードブルー』のネタが入っていたり、平野紫耀さんが所属しているグループである「King & Prince」をネタ要素で盛り込んだりしていたというのもありました。
先ほど名前を挙げた福田監督はパロディの鬼ですが、昨年の『センセイ君主』も映画『ロッキー』のパロディを盛り込んだりしていたので、意外とこういった映画のパロディがスイーツ映画に持ち込まれる傾向はあるようです。
河合監督はアウトローになってほしい!
河合監督は確かにスイーツ映画への参入こそ、比較的王道の『俺物語!!』だったわけですが、その後は独自路線を突っ走っていました。
基本的にマンガの実写化って、2次元を3次元に落とし込むわけですから、その点で3次元に馴染まない要素や設定をある程度カットしてリアル路線に寄せるアプローチをかけます。
これが日本のマンガ実写の基本路線でもありました。
その点で、河合監督って完全に門外漢でして、むしろ3次元を2次元に落とし込むという手法で、ぶっ飛んだ2次元的な設定にそのまま3次元を対応させようとするんです(笑)
『兄に愛されすぎて困ってます』では冒頭数分でいきなり片寄涼太が谷を自転車で飛び越えるというトンデモない描写が登場します。
マンガのキャラクター紹介的なテロップや演出もそのまま映像にしてしまっていて、このあたりもマンガの映像化、いや映像のマンガ化な印象に繋がっていると言えるでしょう。
そしてそんな河合監督の3次元を2次元に落とし込むというアプローチの1つの結晶が実写版『ニセコイ』でしょう。
予告編でコスプレ感満載のサイケな世界観を披露してしまい、多くの原作ファンから不評を買った作品ではありますが、河合監督節を確立したとも言える作品で、ここまで振り切ってくれれば逆に面白いな・・・と個人的には思っていました。
ですので、個人的には河合監督はこのスイーツ映画アウトロー路線を貫いて欲しいんですよ。
その点で実写映画『かぐや様は告らせたい』ってどっちつかずで中途半端に思えました。
確かに彼らしい演出も散見されますし、浅川梨奈さんにあの振り切った演技をさせるのは彼くらいのものでしょう。
ただ、やはり映画として小綺麗に見せようとした跡が所々に見られ、その点で振り切れていない感じを拭いきれませんでした。
これまで中途半端な実写化が横行して、多くの原作ファンを悲しませてきた日本のマンガ実写映画が進む道は2つあると思っています。
1つは、原作をきちんと再解釈して3次元に落とし込むことですね。
今年公開された実写版『キングダム』なんかは原作の世界観を予算をたっぷりとかけることで、徹底的に3次元に落とし込み、多くのファンの信頼を得ました。
そしてもう1つがアウトローの進む、3次元を2次元に落とし込む手法だと思っています。
河合監督やあとは三池監督の『テラフォーマーズ』のような実写版は個人的にはこちらに該当すると思っています。
まだまだ試行錯誤している段階で、そのため『ニセコイ』や『テラフォーマーズ』も批判の嵐でしたが、ここからもう1歩突き抜ければ、邦画実写の新しい形が見えてくると思います。
河合監督はそこに辿り着けるんじゃないかと信じているだけに、今回少し『ニセコイ』よりも後退した印象を受けたことが悲しかったのです・・・。
エピソードや映像的なところ以外で言うと、『かぐや様は告らせたい』という作品の肝って要はナレーションなんですよね。
ですので、それを実写映画版に取り入れないわけにはいかないのですが、ナレーションの多用って絶望的なまでに実写映画というフォーマットに馴染まないんですよ(笑)
映画は、小説では文字で説明してしまうような状況や心情をいかにして映像で表現するかを模索するメディアです。
そのため、そこをナレーションで補完するというのは、最終手段であり、ある意味で自分はこれを映像では表現できませんでしたという白旗宣言になってしまうのです。
だからこそナレーションを多用せざるを得ない『かぐや様は告らせたい』という作品は、そもそも実写映画には馴染みにくい題材です。
そこを3次元を2次元に落とし込むという異端なアプローチをとるスイーツ映画界のアウトロー河合監督なら何とかできると私は期待しておりました。
というよりナレーションの多用を正当化できるだけの独特の実写映画の世界観を彼ならば作り上げられると楽しみにしていたんです。
そういう意味では、今作は少し期待外れでしたし、次回作意向でもっと改善できるはずだと思っております。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は実写映画『かぐや様は告らせたい』についてお話してきました。
正直に申し上げて、全体的に薄味すぎて語ることがあまりないという中で、とりあえず備忘録も兼ねているので使命感からブログ記事を書き上げた次第です。
キャスティングは非常に良かったと思うので、それだけに映画として脚本や演出面が壊滅的に酷かったのが、絶望的でしたね。
こういう作品を見ると、福田監督の『斉木楠雄のΨ難』ってすごかったんだなぁと思わされます。
少年漫画ノリのギャグを映画に落とし込んでも、十分に笑える仕上がりにしてくれていますし、100分程度の映画の最初から最後までずっと面白いを持続させるのってすごく技量が求められるんだと思います。
実写映画『かぐや様は告らせたい』は最初から最後までギャグがスベリ散らかしていて、映画を見ている間に心が死んでいきます・・・。
邦画の漫画実写のクオリティは近年上昇傾向にあるのですが、それでもまだこんな作品が出てくるのだな・・・と残念に思いました。
今作は中途半端に日和った感じが見受けられたので、やるならもっと突き抜けた作品を作って、存在感を発揮してほしいです。
今回も読んでくださった方、ありがとうございました。