みなさんこんにちは。ナガと申します。
今回はですね映画『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』についてお話していこうと思います。
『007 ムーンレイカー』でジェームズボンドが宇宙に行ったときにも、衝撃というか笑撃が走りましたが、今回のワイスピはそれに近いものがありました。
『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』には、とにかく「バカガジェット」がたくさん登場します。
強力マグネットや車を宇宙まで飛ばすニトロエンジンが特に強烈でしたが、こうした「バカガジェット」でとんでもアクションを展開していくのって、往年のスパイ映画の十八番ともいえる手法なんですよね。
『007 ムーンレイカー』を挙げましたが、かつての『007』シリーズは毎回どんなガジェットが登場するんだ?というのが1つの楽しみでしたし、あまりのぶっ飛び具合にゲラゲラと笑ったことも何度もあります。
ただ、近年のスパイ映画ってどんどんとリアルで硬派な路線に向かっていくのが主流で、『ボーンアルティメイタム』や『007 スカイフォール』、『ミッションインポッシブル ローグネイション』といった作品たちがそれを象徴していますね。
『ワイルドスピード』シリーズは基本的にカーレースを主体にしたアクション映画だったわけですが、シリーズ5作目付近から一気に作品の方向性が変化してきて、徐々にスパイ映画の要素を取り入れていきました。
その1つの到達点ともいえるのが『ワイルドスピード7 スカイミッション』だったわけですが、この段階では車でスカイダイビングというぶっ飛んだ描写はあれど、近年のリアル路線のスパイ映画の潮流からも外れていない作品になっていたと思います。
しかし、そこからシリーズ8作目とスピンオフ1本を挟んで後悔された本作は、まさに往年のゆる~いスパイ映画の復活を感じさせるような映画でした。
ローマンが劇中でしきりに「俺たちは無敵だ。」とメタな発言を繰り返し、その横でテズが「数学的に、物理的に可能だ」と完全なはったりをかましていましたが、その言葉のもとにどんなぶっ飛んだ描写も許容されるという「ゆるさ」が無性にノスタルジーを搔き立てるのです。
リアル路線のアクション映画ないしスパイ映画がメインストリームになっているからこそ、自分たちはそれとは違う路線で行くという1つの方向性を打ち出す作品になっていたのかなと思います。
ということで、ここからは本作『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』を見て自分なりに考えたことをもう少し掘り下げながらお話させていただきます。
本記事は作品のネタバレになるような内容を含む解説・考察記事です。
作品を未鑑賞の方はお気をつけください。
良かったら最後までお付き合いください。
目次
『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』解説・考察(ネタバレあり)
とりあえず見ておきたい過去作とそのリンク
さて、今回がナンバリングタイトルとしては9作目の『ワイルドスピード』となったわけですが、今から過去作全てをチェックしようとすると腰が重いかもしれません。
ということで、これまでの作品とのつながりに言及しながら、これだけは見ておきたい過去作をピックアップしてみようかなと思います。
もちろん、時間のある方は全作品見ていただく方が間違いなく良いので、ぜひともご覧になってみてください。
『ワイルドスピード』(2001)
最近のスパイ映画風味の強い『ワイルドスピード』シリーズに慣れていると驚く方も多いでしょうが、元々はカーレースを主体にした映画です(笑)
ですので、このシリーズ第1作は、カーレースを軸に話が展開していくのですが、ドムとブライアンの友情の始まりが描かれた素晴らしい1本と言えます。
なぜ、この第1作を見ておく必要があるのか、それは今回の『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』におけるドムとその弟のジェイコブの関係が、ドムとブライアンの関係へのオマージュになっているからなのです。
『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』の回想シーンの中で、ドムがジェイコブと決別したストリートレースの描写がありました。
ジェイコブは最後の直線で一気にNOSを使って車を加速させ、ドムを追い抜きましたが、ドムが溜めに溜めて、適切なタイミングでNOSを使ったことで、ゴール前で逆転されてしまうのです。
実は、このレースの展開がシリーズ1作目の『ワイルドスピード』にてドムがブライアンとレースをした時の展開と全く同じなんですね。
そして、同じくドムとジェイコブのクライマックスのシーンでは、『ワイルドスピード7 スカイミッション』を思わせるような別れが演出されていましたが、ここでドムがジェイコブに車のキーを渡す描写がありましたよね。
『ワイルドスピード』ではブライアンは警官の立場でありながら、友情を優先し、ドムに自身のスープラのキーを渡しました。
この描写が『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』のラストで再現されることによって、ドムとジェイコブの関係がこれからも続いていくのであろうという未来が示唆されているのです。
物語的にというよりは、演出的な部分で見ておくと、かなり本作を深く理解できると思いますので、ぜひともご覧になっていただきたい1本です。
『ワイルドスピード3 TOKYO DRIFT』
もう1本かなり見ておく優先度が高めなのが、シリーズ3作目の『ワイルドスピード3 TOKYO DRIFT』でしょうか。
この『ワイルドスピード3 TOKYO DRIFT』は少し時系列的に複雑な部分があるので要注意です。
というのも、今作は時系列的に言うと、シリーズ6作目の『ワイルド・スピードEURO MISSION』以後、『ワイルドスピード スカイミッション』より前に位置づけられます。
- ワイルドスピード(2001)
- ワイルドスピードX2(2003)
- ワイルドスピードMAX(2009)
- ワイルドスピードMEGA MAX(2011)
- ワイルドスピードEURO MISSION(2013)
- ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT(2006)
- ワイルドスピード スカイミッション(2015)
- ワイルドスピード アイスブレイク(2017)
- ワイルドスピード スーパーコンボ(2019)
- ワイルドスピード ジェットブレイク(2021)
作品を見ていただけると、時系列的につながっていることは明白で、『ワイルド・スピードEURO MISSION』にてハンは恋人関係になったジゼルを亡くしました。
ここで、ハンは亡きジゼルとの約束を果たすために東京行きを決意し、そこから物語が『ワイルドスピード3 TOKYO DRIFT』へと繋がっていくという流れです。
ただ、このシリーズ3作目は、物語的には正直見ておかなくても『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』を理解するうえではほとんど問題は生じません。
では、なぜ見ておきたいのか。それはキャラクターの部分が大きいですね。
というのも、いわゆる「東京ドリフトクルー」であるショーン、アール、トゥインキーの3人がシリーズに復帰しているからなんですよ。(ショーンはシリーズ7作目にも出演)
(C)2021 Universal Studios. All Rights Reserved.
ファンとしては、本当に懐かしい顔ぶれが並んだことに対する感慨深さで胸がいっぱいになりました。
ぜひ、彼らが活躍した『ワイルドスピード3 TOKYO DRIFT』については、チェックしておいて欲しいですね。
『ワイルドスピード7 スカイミッション』
シリーズ屈指の名作として知られる作品ですが、この作品の序盤でかなりショッキングな出来事がありました。
それは、デッカード・ショウによってハンが殺害されてしまうというワイスピファンの間に衝撃が走った出来事です。
ストーリー的には、この事実だけ知っていれば、まあ大丈夫みたいなところはありますが、先ほど少し言及したように本作はドムとブライアンの関係の1つの区切りを描いた記念碑的な作品でもあります。
そして、その別れのシーンが、今作でドムとジェイコブの別れのシーンに重ねられていたことは言うまでもありません。
そういった意味でもチェックしていただきたい作品です。
また、後ほどこの『ワイルドスピード7 スカイミッション』でデッカード・ショウに破壊されたドムの自宅というモチーフを中心に本作の作品性を分析していきます。
『ワイルドスピード8 アイスブレイク』
物語的に最も直接的なつながりがあるのは、ナンバリングタイトルでの前作に当たるシリーズ8作目の『ワイルドスピード8 アイスブレイク』です。
本作は、今回もヴィランとして暗躍したサイファーが初登場した作品となります。
(C)2021 Universal Studios. All Rights Reserved.
『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』では、彼女がなぜ拘束中で、どういうパーソナリティを持った人間なのかが分かりにくいと思いますので、こちらを見て補完していただければと思います。
また、『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』の冒頭でも印象的に登場したドムの息子である「ブライアン」の出生や名付けの経緯が分かる作品でもあります。
この名前には『ワイルドスピード7 スカイミッション』の撮影期間中に亡くなったポール・ウォーカーに対する思いが込められているのは有名な話です。
ドムを演じるヴィン・ディーゼルとブライアンを演じるポール・ウォーカーは非常にプライベートでも親交が深かったようです。
そのこともあって、ヴィンはポールの死後に生まれた自分の娘に「ポーリン(Pauline)」と名前をつけています。
ヴィン・ディーゼル自身もこのことに関してインタビューなどで回答していて、自分の娘にポールにちなんだ名前を付けることで、彼が自分の世界、家族の中で生き続けるんじゃないかと思ったそうです。
こうしたキャストの現実と映画の中の物語がリンクするのも、ヴィン・ディーゼルの人生と『ワイルドスピード』というシリーズのリンクを一層強めていると思います。
『ワイルドスピード8 アイスブレイク』を鑑賞するとともに、ヴィンとポールの関係性を知っておくと、『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』のラストに青い車がドムの家へとやってくるシーンのエモさが伝わってくるのではないでしょうか。
その他の細かなポイント
ここまで予習・復習の優先度が高い4つの作品を主に紹介してきましたが、細かいところでその他の作品とのつながりについてもご紹介しておきますね。
まず、シリーズ4作目の『ワイルドスピードMAX』と5作目『ワイルドスピードMEGA MAX』に主に登場したレオとリコ・サントスとドムの過去が今作で描かれました。
ドムと2人が初めて出会った時の経緯が明かされ、当時も変わらないノリで掛け合いをしている2人に無性にノスタルジーを掻き立てられました。
この2人のキャラクターについてもっと知りたいという方は4作目と5作目もご覧いただいても良いかもしれません。
ちなみにこの2人は、『ワイルドスピード8 アイスブレイク』にも微妙に出演していました。
そして『ワイルド・スピードEURO MISSION』もハンとジゼルの物語や、彼の東京行きの経緯が描かれた作品なので、つながりのある1本です。
また、今作を見るのであれば、1つ注目していただきたいのが、ドムとレティの関係性です。
というのも、レティはドムのかつての恋人なのですが、記憶喪失状態となり、敵に利用されているという設定で今作に登場しました。
そんな状態のレティをドムが必死に助けようと試みたわけですが、今回の『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』では、その関係性が反転し、レティがドムを助け出そうとするシーンがあります。
『ワイルド・スピードEURO MISSION』を踏まえた上で見ると、グッとくるシーンの1つかもしれませんね。
また、『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』は、スピンオフとして公開された『ワイルドスピード スーパーコンボ』にも微妙につながりがあります。
というのも、今回のイギリスパートでマグダレーンというデッカード・ショウの母親が登場しましたよね。
この時、ドムが彼女に「服役中では?」と尋ねていましたが、この前談が『ワイルドスピード スーパーコンボ』の方で描かれていたので、チェックしておいても良いでしょう。
建て直されるトレットハウスとファミリーの修復
『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』は、『ワイルドスピード7 スカイミッション』から始まった物語の「輪」を閉じる重要な作品になったのではないかと個人的には思っています。
まず、『ワイルドスピード7 スカイミッション』は言うまでもなくファミリーの崩壊と別れを描いた作品でした。
物語の序盤にハンが殺害されるというファンにとっては衝撃的な出来事がありつつ、物語の最後にはドムとブライアンというシリーズを支えてきた2人の主人公が別々の道を選択しました。
そして、その1つの象徴として視覚的に演出されていたのが、ドムの自宅がデッカードの爆弾によって爆破されたシーンではないでしょうか。
(C)2015 Universal Studios. All Rights Reserved.
「家」というのは家族の象徴とも言えるわけですが、そう考えるとドムの自宅はワイスピファミリーの象徴とも言えるモチーフです。
そんなファミリーを象徴するモチーフが破壊されることによって『ワイルドスピード7 スカイミッション』を境にシリーズの新しい物語の幕が開けたように個人的には感じていました。
そして、『ワイルドスピード8 アイスブレイク』にてドムは血のつながった家族と大切にしてきた絆で結ばれたファミリーを天秤にかける選択を迫られます。
究極の選択を迫られ、一時はサイファーの側に行きながらも、家族もファミリーもどちらも捨てないという自分なりの答えを出し、彼女の野望を打ち砕くのです。
そして『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』では、そんな家族ないしファミリーの「修復」が描かれます。
『ワイルドスピード7 スカイミッション』で命を落としたかに思えたハンが復帰し、他にもショーン、アール、トゥインキーやサントス、レオといったキャラクター達も集結します。
(C)2021 Universal Studios. All Rights Reserved.
こうした、これまでのシリーズの重要なキャラクターたちが再集結するというファミリーの再生や修復を印象づける展開は何とも象徴的でした。
また、本編としてはドムの弟であるジェイコブが登場し、彼の前に立ちはだかります。
ドムはかつてカーレース中の事故で父を失い、それがきっかけとなって弟のジェイコブとも縁を切り、ミアとのみつながっているという状態で、トレット一家はバラバラになっていました。
加えて、本作の物語の途中で明らかになったようにジェイコブは父を殺害しようとしたのではなく、父の指示で車に細工をしていたのだという事実がドムに突きつけられます。
ジェイコブが家族の絆を壊したと信じ込んでいたドムは、その事実を知って、トレット一家の絆を壊してしまったのは自分なのかもしれないと思い始めました。
ドムはそんな壊れた絆を修復するために、かつて父が自分にしてくれたように、ブライアンが自分にしてくれたように車をジェイコブに譲ります。
改めて整理しますと、『ワイルドスピード7 スカイミッション』以降の同シリーズの主要なテーマは「家族とファミリー」であり、7作目ではその崩壊と別れが描かれ、9作目ではその再生と修復が描かれたということになります。
そして、それを象徴するかのように『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』のラストシーンでは、7作目の冒頭に破壊されたドムの自宅が再建中であることを印象づけるカットがインサートされていました。
そこにブライアンの乗った車が到着する。再びファミリーが集結するわけですよ。
本シリーズは『ワイルドスピード7 スカイミッション』があまりにも作品として特別過ぎたがために、そこからどうやってシリーズの本流に戻していくのか?が1つの課題となっていたように思います。
特に『ワイルドスピード8 アイスブレイク』は、そのコンテクストを受けた内容になりすぎて、賛否分かれた印象もありました。
その点でも、『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』は7作目から始まった物語や主題、シリーズを通底していた空気感を収束させる重要な作品でもあったと思います。
壊れたとしても、離れ離れになったとしても、命を落としたかに見えても、こうして何度だってやり直せる。集まってコロナビールを飲める。
そんな「ファミリー」の絆の強さを、建て直されている途中のドムの自宅に重ねて演出したのは、本当に見事という他ないと思いました。
カーアクション映画としては少し限界も見え隠れ
さて、今回も桁違いの予算がかけられ、大量の車が破壊されながら撮影されたわけですが、カーアクションとしてこれまでの作品との差別化がそれほどできていないような気はしました。
『ワイルド・スピードEURO MISSION』での装甲車&戦車とのチェイス&バトルシーン、エアポートでの戦闘シーンには、初見時に度肝を抜かれたのを今でも覚えています。
そして、『ワイルドスピード7 スカイミッション』での車による空からの落下作戦と、ビルからビルへと飛び移る衝撃的な画は、カーアクションの常識を根底から覆したといっても過言ではないでしょう。
『ワイルドスピード8 アイスブレイク』は自動運転された車が大量に破壊される描写や潜水艦とチェイスを繰り広げるというこれまたぶっ飛んだ画が印象的でした。
という具合に、『ワイルドスピード』シリーズは、カーアクションの常識を常に覆し続けてきたわけで、そこが「売り」でもあったわけです。
そう考えたときに、今回の『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』のカーアクションがこれまでシリーズのどこかで見たことがある画のパッチワークのようになっていた点については少し不安を抱きました。
まず、冒頭のジャングルでのカーチェイスですが、これ画的に『ワイルドスピード スーパーコンボ』にかなり似ているんですよね。
(C)2021 Universal Studios. All Rights Reserved.
ヘリと車で壮絶なカーチェイスを繰り広げる構図も、ジャングルないし荒れ地という舞台設定もすごく似ています。
車でターザンするところは、確かにぶっ飛んではいましたが、あの一瞬だけで一連のカーチェイスの既視感がひっくり返るかと言われると、それほどのインパクトはありません。
そして、それ以降のカーチェイスは基本的に新しいマグネットガジェットの一点突破になっていて、『ワイルドスピード8 アイスブレイク』の自動運転された車が大量にぶっ壊れた画を超えてくるかと聞かれると疑問符が付きます。
(C)2021 Universal Studios. All Rights Reserved.
街の車がどんどんと動き出して、壊れていくという基本的な画が似ているので、あまり新鮮さがないんですよね。
さらにクライマックスは、結局のところデカい装甲車をどうやって止めるのかという『ワイルド・スピードEURO MISSION』のハイウェイでのチェイス&バトルシーンに似た内容になっているので、これまた目新しさはありません。
という具合に、本作のアクション的な見せ場の大半が、これまでの『ワイルドスピード』シリーズのどこかで見たことがあるもののパッチワークになってしまっていて、シンプルに「すげえ!」と感動するシーンが少なかったような気がしています。
唯一斬新だったのは、車でついに宇宙に突入してしまうという『007 ムーンレイカー』を想起させるような、限界突破でした。
というのも、地上でど派手なカーチェイスを繰り広げている一方で、一番極限の戦いをしているはずのローマンとテズの2人組のパートになると、途端に静的な映像に変わるんですよね。
こうした動と静という対照的な戦闘シーンを交互に編集で配置することによって、独特とテンポとリズムでクライマックスを演出していたのは評価できるポイントだと思います。
ただ、ストーリーというよりは「アガる画」を欲している自分としては、物理法則をこれまで以上に無視した作品にも関わらず、今作特有の見せ場になりそうなシーンが少なすぎる印象を受けました。
カーアクション映画として常に限界を突破する姿勢を見せ続けてくれているシリーズなので、どうしても期待してしまいますし、その中で少し見せ方に限界を感じさせてしまう内容になっていたのは今作のウィークポイントだったのかなと考えています。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は映画『ワイルドスピード9 ジェットブレイク』についてお話してきました。
『ワイルドスピード』シリーズは個人的に近年のEURO MISSIONとスカイミッションの出来栄えが凄すぎて、それ以降の作品はどうしてもこの2つと比較してしまうところがあります。
8作目のアイスブレイクももちろん悪くないんですが、シリーズの中でも特別な位置づけのスカイミッション直後の作品と言うことで苦心した跡が見受けられました。
そんな中でスカイミッションから始まった1つの円環を閉じる作品としては非常にうまく立ち回ったと思います。ここは高く評価できる部分です。
一方で、肝心のカーアクションのところで物足りなさを感じてしまったところもあり、個人的には直近3作品には及ばないかな…というのが本音でした。
物語的に粗がありまくるのは、このシリーズに求める部分ではないと思うので良いとしても、売りであるカーアクションが直近3作品の「影」を追っているような画ばかりに終始していたのは残念です。
とは言え、今作で1つ区切りはつけられたと思いますし、ここから全12作の残り3作品を制作していくわけですから、どうスケールアップしていくのか楽しみにしたいと思います。
今回も読んでくださった方、ありがとうございました。