みなさんこんにちは。ナガです。
今回はですね映画『ローグワン:スターウォーズストーリー』についてお話してみようかなと思います。
いよいよこの6月の末にディズニー「スターウォーズ」シリーズの新作である『ハンソロ』が公開されます。
ということで、このタイミングで前回の「スターウォーズ」スピンオフについて振り返ってみるのも面白いかな?と思いまして、書き始めました。
ところでみなさんは、ディズニー「スターウォーズ」シリーズをどう思っていらっしゃいますでしょうか。
『スターウォーズ:最後のジェダイ』が公開された時に、まさにこの話題になりましたよね。そしてディズニーが作る新しいシリーズに対しての反発もかなり強まってきました。
海外では、『ハンソロ』が公開されるや否や、その議論が再興しているようですね。
批評家からの評価は悪くありませんが、オーディエンスからの受けは悪く、それが興行的な面でも響き、ディズニー「スターウォーズ」シリーズ初の負債を出すことは間違いないだろうと言われています。
そんな状況でありながら、ディズニーはエピソード10以降を製作するみたいな話も仄めかしていて、余計に意見が割れていますよね。
そんな今だからこそ、今一度「スターウォーズ」新シリーズとそして『ローグワン:スターウォーズストーリー』について振り返ってみたいと思います。
目次
私のディズニー「スターウォーズ」シリーズの評価
さて、まずは私の個人的なディズニー新シリーズ3作品に対する評価と短評をお話しておこうと思います。
これはあくまでも個人的なものですので、その点はご了承くださいね。
『スターウォーズ:フォースの覚醒』
端的に言うと、無難だな~という思いが80%と失望20%を掛け合わせたような作品でした。
常に新しいものを追求しようという野心を持ち続けたルーカスの精神が微塵も引き継がれていない既視感とファンへの目くばせに塗れた作品だと思いました。
1本の映画として見ると、それほど粗も無く、確かに良く出来てはいるのですが、オリジナルトリロジーで見たことがあるような映像がひたすら続くどうしようもない退屈さを拭いきれませんでした。
これを前夜祭に見た時に、ディズニー「スターウォーズ」には期待しちゃダメなんだなと痛感しました。
『ローグワン:スターウォーズストーリー』
エピソード4が既に存在しているということで、ラストは最初から決まっている作品で、設定やコンセプト、メカデザインなどもオリジナルトリロジーからかけ離れたものにはできないという保守的な立ち位置にある作品ではあります。
ただ革新的な映像と「これが見たかった!!」を素直に提示してくれた作品でした。
前半のもったりした展開はギャレスらしさですが、終盤の圧倒的な盛り上がりもまた彼らしさが抜群に出ていて、「スターウォーズ」シリーズ屈指のバトルシーンでした。
『スターウォーズ:最後のジェダイ』
非常に評価が難しいこの作品。最高が40%、最悪が60%の割合でごちゃまぜにしたような映画でしたね。
すごく熱いシーンもあれば、どうしようもないくらい失望を感じるシーンもたくさんあって、好きだけど大嫌いみたいな矛盾した感情が入り乱れる映画です。
特に脚本はガバガバで、1本の映画として評価するならば、「スターウォーズ」シリーズ最低の仕上がりと言えるでしょう。
ただ、この作品がやろうとしたことやテーマは本当に大好きで、「スターウォーズ」史上最も斬新で衝撃な1作だったと思います。
では、今回はこの中から映画『ローグワン』についてお話していきます。
『ハンソロ:スターウォーズストーリー』
クラシカルなスターウォーズの良さもありつつ、視覚的な新しさがあり、そして若きハンソロの物語として確立された内容でした。
エピソード4以降の彼の人物像に直結するわけではないのですが、繋がる描写をきちんと見せてくれ、ファンとしても満足の1本でした。
『ローグワン』考察(ネタバレあり)
さて、先ほどそれぞれの作品に対する短評を書きましたが、結局のところ私が本当に心の底から楽しめた、最高だと思ったディズニー「スターウォーズ」って『ローグワン』の終盤だけなんですよ。
ということで、ここから『ローグワン』の終盤のここが最高!という5つのポイントをお話していこうと思います。
名も無き者たちの物語が熱い!
(C)2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
ディズニー「スターウォーズ」の最大のテーマが何かと言うとそれは、これまでの「スターウォーズ」が、スカイウォーカー一族が、ジョージルーカスが築いてきた「スターウォーズ」という神話を脱構築して、「名も無き者たちの物語」へと変えていくことなんですよね。
これは『スターウォーズ:最後のジェダイ』で完全に明確になりました。
レイという主人公をスカイウォーカーの血筋から解き放ったこともそうですが、ルークが最期を迎えたこと、そしてラストシーンに選ばれたあの名も無き少年がフォースで箒を手繰り寄せるシーンがそれを証明しています。
ただ、EP8は脚本があまりにも煩雑すぎて、その崇高なテーマ性を物語に落とし込めていないんですよね。だからこそテーマとアプローチだけは素晴らしいのに、肝心の映画本編は穴だらけでボコボコという有り様になっています。
一方の『ローグワン』はこちらも例に漏れず「名も無き者たちの物語」です。そもそもこの映画で描かれるのは、EP4のオープニングクレジットで言及されているこれだけの短い文章なんです。
それを拡張したのが『ローグワン』という作品です。
本作の登場キャラクターがルークが登場して以降の「スターウォーズ」で言及されることはありません。それでも確かに彼らは存在していて、確かに「希望」を繋いだんですよね。
彼らの物語を見た後で、EP4を見返してみると、全く違う色合いで作品が見えてきます。
最高の宇宙戦に感激!
(C)2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
『スターウォーズ:フォースの覚醒』に対する映像面での大きな不満が、大規模な宇宙戦が無かったことなんですよね。
確かにEP5を思わせるファルコンチェイスなんかは盛り上がるシーンではありましたが、やっぱり今の技術とディズニーの潤沢な予算という後ろ盾があるからこそ見せられる最高の宇宙戦はどうしても入れて欲しかったんです。
それを『ローグワン』は終盤でしっかりと見せてくれたというのが非常に大きいですよね。
これまでの「スターウォーズ」では見たこともないような圧倒的なスピード感とシャープネスで描かれるスカリフ軌道上での圧倒的な宇宙戦は童心に帰ったような純粋な映画を楽しむ気持ちを思い出させてくれました。
それに加えてこのバトルシーンは映像的にも素晴らしいんですよ。
青いスカリフの海が宇宙の漆黒と印象的なコントラストをなしていて、そこで起こる戦いや爆発が凄く映えるんです。またスターデストロイヤーが激突して先端から墜落していくシーンなんかも最高に画としてキマっています。
本当に「これが見たかったんだ!!」の連続で、最高のテンションになります。
一進一退の地上戦が大迫力!
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「スターウォーズ」シリーズの中で、隠れたファンが多いのが、EP5「帝国の逆襲」の冒頭で描かれる惑星ホスでの塹壕戦を思わせる一進一退の地上戦です。
やっぱりフォースやライトセーバーのイメージが強い本シリーズですが、こういう泥臭い戦いも非常に良かったんですよね。ただ幾分描かれた時間が短く、予算の都合もあったのかかなりこじんまりとした描写になってしまいました。
そんな名バトルを『ローグワン』は圧倒的な資金力でもって、最高の形にアップグレードして映像化してくれました。
ジャングルの中でのゲリラ戦を思わせる描写や、第1次世界大戦のヨーロッパ戦線での塹壕戦を想起させる戦い方には手に汗握ります。
本作は良い意味で「スターウォーズ」らしくないところが逆に良かったです。
というのもフォースがあれば、これくらいの戦況はひっくり返せてしまうんですよ。
ただ本作ではフォースそのものがほとんど登場しません。
それは『ローグワン』が「ルーク以前の物語」だからというところにも起因しています。
ただそれゆえに人間臭いドロドロの戦いが繰り広げられます。
徐々に海、陸、空の戦いがクロスオーバーしていく感じも最高に熱いです。
恋愛を超えた究極の連帯に涙!
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何といっても泣けるのが終盤の展開ですよ。ジン・アーソとアンド―が作戦を終え、無事にデススターのプロトコルデータを回収し終えると、自分たちの最期を悟り抱き合うんですよね。
このシーンに関して、公開当時に「あそこの恋愛描写がクソ!!」みたいなことを言っている人がいたんですが、さすがにそれは曲解過ぎませんかね??
どう考えても恋愛感情で抱き合っているわけではないでしょうに。
あのシーンって本当に共に戦ってきたバディだからこそ、戦友だからこその連帯の象徴なんですよね。
恋愛感情なんてものではなく、もっと過酷な戦いを戦い抜いた雄姿をお互いに讃え合うかのような感情だと思うんです。
確かに『ローグワン』で描かれた彼らの雄姿は語り継がれることもないのかもしれません。それでも目の前にいる自分だけは君の雄姿を讃えようじゃないかという最高に熱いシーンではないですか!!
創世記を思わせる結末に呆然!
(C)2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
本作のラストって実に旧約聖書の創世記のような終わり方です。「スターウォーズ」シリーズはかなりキリスト教を意識して作られている部分も大きいですが、この作品に関しては非常に旧約聖書的だったと言えます。
やはりラストのジンとアンド―のところに迫って来る大津波が「大洪水」をストレートに想起させます。彼らの戦いを、「名も無き者たちの物語」を洗い流していくかのような残酷な結末にただただ呆然とするばかりです。
それでも彼らは確かに「希望」を繋ぎました。
なぜなら彼らの紡いだ「希望」が「スターウォーズ」シリーズをスタートさせるんですよ。
つまりルークスカイウォーカーの神話を「創世」したのは、紛れもなく彼らなんです。
そう考えるとあのシーンでのジンとアンドーは「スターウォーズ」世界のアダムとイブにすら見えてきますよね。
EP4以降の「スターウォーズ」シリーズにおいて名前すらも残っていなかった彼らが「神話」の始まりを紡いだという事実にただただ涙があふれてきます。
これを見た後に『スターウォーズ:新たなる希望』を見ると、もう号泣号泣です・・・。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は『ローグワン』についてお話してきました。
監督がロン・ハワードということで過度な期待はしていない『ハンソロ』ですが、もちろん見に行くつもりです。
ただやっぱりディズニー「スターウォーズ」には個人的にはまだあまり満足できていません。
それでも『ローグワン』の終盤を見れただけ、新シリーズを立ち上げた意義はあったのかな?と思っております。
さてこれからの「スターウォーズ」がどうなっていくのか?想像もつきませんが、とりあえずEP9までは見守ろうと思います。
みなさんはディズニー「スターウォーズ」にどのようなご意見をお持ちですか?良かったらコメント欄等で教えていただけると嬉しいです。
今回も読んでくださった方ありがとうございました。