映画「夜は短し歩けよ乙女」興行収入・動員予測:アニメ映画ブームに乗れるのか?

アイキャッチ画像:©森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会 「夜は短し歩けよ乙女」予告編より引用

はじめに

さて、いよいよ4月7日からアニメ映画「夜は短し歩けよ乙女」が公開になります。皆さまはもう本作を鑑賞予定リストに入れていますでしょうか?

本作は配給の東宝が宣伝に非常に力を入れていますし、主演に星野源さんを抜擢するなど、話題性も非常に高いです。また、深夜アニメ界でも今注目の湯浅政明監督の作品と言うことでアニメファンの間でも大きな話題となっている作品です。

今回はそんな本作品が興行的にヒットするのかどうかについて考えてみたいと思います。まずは、興行的にポジティブな要素、次にネガティブな要素を挙げたうえで、最後に個人的な予測を書かせていただこうと思います 。

良かったら、最後までお付き合いください。

そもそも高い注目度

アニメ映画「夜は短し歩けよ乙女」はすごく注目を集めているというのは皆さまもご存知かとは思うのですが、それが数字にも表れています。

1か月前にYouTubeで公開された動画再生数は100万回を超えていますし、アニメ映画に比較的クリップ(見たい作品)がつきにくい映画レビューアプリのフィルマークスでもすでに2万を超えるクリップがついています。

それに加えて、昨年ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で注目を集めた星野源さんが主演、主題歌に人気バンドのアジアンカンフージェネレーションが抜擢されるなど、普段アニメや映画を見ない層からの注目を集めることにも成功しています。

そして、もちろん「四畳半神話大系」や「ピンポン」でも話題となった湯浅監督の新作ということでアニメファンからの注目度も高いですし、何より原作が130万部の大ベストセラーということで作品そのものへの関心も非常に高いです。

また、アニメ映画に今、追い風が吹いているという状況もヒットを後押ししてくれるのではないかと思います。

湯浅政明×森見登美彦

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©森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会 「夜は短し歩けよ乙女」予告編より引用

今回の湯浅政明監督と森見登美彦原作のタッグというのは実は今回が初めてではないんですね。実は2010年の4月から1クール放送されていた「四畳半神話大系」というアニメ作品はまさに今回の「夜は短し歩けよ乙女」と同じタッグで製作されたんですね。

そしてその「四畳半神話大系」はどうだったかと言いますと、作品的にも評価され、売り上げ的にも好調だった、つまり大成功のアニメ作品だったと言えます。評価としましては、文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門で大賞を受賞するという快挙を成し遂げ、売り上げとしましてはセル版の販売枚数がオリコン集計値で累計平均5000枚(各巻5000枚)を超えるなどまさに大成功を収めています。

浅沼晋太郎
東宝
2014-06-18

 


そして最近になって発売されたBlu-rayBOXもオリコン集計値で2000~3000枚を売り上げるなど、依然として人気のある作品であることが伺えます。

ただ、ここで一つ懸念な点なのですが、「四畳半神話大系」は確かに売り上げ的にも好調だったのですが、どちらかというと知る人ぞ知るアニメ感が強いタイプの作品なんですね。大勢の人に受け入れられて、認知されたというよりも、一部のコアなアニメファンに受けて、その層がしっかりとセル版を買い支えたという印象が放送当時の盛り上がり方だったんですね。

まあそれもそのはずで、その年の春クールはけいおんの第2期やANGEL BEATSといった話題作が非常に目立っていたため、「四畳半神話大系」はあまり注目度が高かったわけではないんですね。

結局、何が言いたかったのかと言うとセル版の売り上げは好調でしたが、このアニメの知名度自体が高かったか?と言われたらそうではないんですね。

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©森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会 「夜は短し歩けよ乙女」予告編より引用

それに加えて、湯浅監督の独特の作風が万人受けしづらいであろうという点が個人的に懸念している点です。「四畳半神話大系」も確かに評判は良かったのですが、それに対して苦手だと言っている人も非常に多かったですし、その後湯浅監督が手掛けた「ピンポン」も一部の層からは高い評価を獲得しましたが、それでも苦手だと言っている人も多かったように思います。

そして、本作も作風が「四畳半神話大系」の系譜にあるということで、やはり万人に受ける作品と言うわけにはいかないと思います。どうしても賛否両論になることが予想されますし、予告の段階であのタッチを敬遠する人も億居るように思います。

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公開規模

これは最初に挙げておくべきだったかもしれません。今回の「夜は短し歩けよ乙女」の公開規模はだいたいですが100館から150館程度です。アニメ映画としては「けいおん」や「ラブライブ」なんかと同じくらいで深夜アニメトップクラス程度の公開規模だと言えるでしょう。

そして用意されているスクリーンをざっとではありますが、見てみたのですが、東京や大阪といった都心部のTOHO系列の劇場では最大箱を充てている劇場もあり、非常に気合が入っているように思います。配給としても先日公開の「3月のライオン」が大コケするという事態に見舞われたので、今作にはかなり期待をかけているのではないかと思います。

ただ見た感じ初日の予約販売状況は今のところ芳しくないかなあという印象です。ただ金曜日スタートですので、土曜日日曜日の予約状況を見てみないと何とも言えないかなあと思います。

コメディ要素の強い作品は受けない?

日本における映画というのは、どうも「デートムービー」として市民権を獲得しているという印象が強いんですね。まあ印象というか間違いないと思います。それもあって少女漫画原作の映画は非常に多いですし、邦画はラブストーリーや感動を推した作品が多いです。

宮藤官九郎さんなんかは邦画界でも「コメディ」路線で市民権を獲得している稀有な人物だと思いますが、他に挙げると言っても興行的にも成功している「コメディ」作品と言うのがあまり思い浮かびません。

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©森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会 「夜は短し歩けよ乙女」予告編より引用

本作はジャンル的にはラブストーリー×ファンタジーとうたわれていますが、予告を見てもお分かりいただける通り、かなりコメディ色が強い作品となっています。

昨年大ヒットしたアニメを考えてみても「君の名は」、「聲の形」や「この世界の片隅に」など感動系に分類されるような作品が目立ちました。そんな中で、今回比較的コメディ要素が強い本作がヒットするのだろうか?と考えると少し難しいのかなあとも思います。

公開時期

今回4月7日公開ということなんですが、この時期設定が良いかどうかと言われると少し疑問符がつくんですね。というのも、そもそも学生の春休みシーズンが終わってしまいます。その上、名探偵コナンやクレヨンしんちゃんといった大御所アニメの公開がすぐそこに控えています。

クレヨンしんちゃんは子供がメインですが、名探偵コナンは大人にも子供にも人気がある作品でありますし、映画館にアニメを見に来る層を根こそぎ奪われてしまう可能性があります。

またゴールデンウィークも控えているじゃないかということになりますが、そのころには「美女と野獣」や「ワイルドスピード」の新作の公開が控えていたりと、もはや映画館で多く座席を割り当ててもらえる状況にはないと思います。

さいごに

最後になりますが、ここで今まで挙げてきたいくつかの要素を踏まえて個人的な興行収入予測を出しておきたいと思います。

シビアな予想をするなれば、初動(土日)「1.5」億円付近で最終「7〜8」億円付近になるのかなあという感じなのですが・・・。

私の個人的な期待も込めさせていただいて、初動(土日)「2」億円付近で最終「10〜12」億円付近という強気な予想で行かせていただきたいと思います。

(4/8追記:すでにかなり厳しい出だしになってますね…。土日初動が1〜1.5億付近という感じでしょうか?私の事前予想は夢物語になってしまいました…。最終6〜8億円という感じですかね!)

(4/9追記:思っていた2倍以上苦しい興行を強いられてますね…。初動0.8〜1.2億(土日)、最終5〜6億円あたりが現実味を帯びてきました…。個人的にも大好きな作品なのでショックです…。)

(4月11日追記:初動(3日間)で1.3億円だった模様ですね。かなり厳しい出だしでしょうか…。)

聲の形も120館規模で20億円を突破しましたし、「夜は短し歩けよ乙女」も軌道に乗れば、可能性としては十分に考えられる数字だと思います。

なお外れても、責めないでやってくださいね(笑)。当たったら褒めてあげてください(笑)。この数値を上回るヒットとなった場合はもう土下座させていただくしかないですね・・・。

何はともあれ、個人的にも楽しみにしている作品ですので、大ヒットしてくれたらよいなあと切に願っております。また作品のレビューも映画鑑賞後に挙げさせていただこうと思います。

今回の記事の内容も、興行収入の続報が出始めましたら、随時更新していきますので、良かったらチェックしてみてください。

今回も読んでくださった方ありがとうございました。

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