アイキャッチ画像:©四畳半主義者の会 アニメ「四畳半神話大系」より引用
目次
はじめに
みなさんこんにちは。ナガと申します。
今回はですね、少し短めの記事にはなると思いますが、映画「夜は短し歩けよ乙女」公開ということでですね、 映画鑑賞前に読んでいただいても、鑑賞後に読んでいただいても、タメになるような記事にしたいなあと思っております。
良かったら最後までお付き合いください。
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森見登美彦作品のリンクを楽しもう!!
今記事で取り上げたいのは、もう森見登美彦さんの小説を読んでらっしゃる方は、ご存じだと思いますが、森見作品の作品間リンクについてですね。既にたくさんの方が語っている内容化とは思いますが、映画版が公開されるということで、森見作品にまだあまり馴染みがない方や、1作品くらいは知ってるよ!くらいの方が、「夜は短し歩けよ乙女」を見て、他の作品にも興味を持つきっかけになれば良いなあと思いましたので、改めて、分かりやすくまとめてみようかと思います。
また、今回は分かりやすくするために、アニメ化されている「有頂天家族」、「四畳半神話大系」とのリンクに絞ってお話ししようと思います。
良かったら、最後までお付き合いください。
作品そのものに関する解説・批評も別記事にて書きましたので、そちらも良かったらご覧ください。
参考:【解説】映画「夜は短し歩けよ乙女」原作改変が生んだ新たなる魅力とは?
「夜は短し歩けよ乙女」×「有頂天家族」
簡単にではありますが、「有頂天家族」という作品を知らない方のために、概要とあらすじを書かせていただきます。
概要
まず、「有頂天家族」という作品は森見登美彦さんが2007年に発表した小説になります。そして、本作は2013年にP.A.WORKSによってテレビアニメ化されています。その後、2015年には同作の第2部に当たる「有頂天家族 二代目の帰朝」が刊行されていて、第3部も刊行予定ということです。また、この第2部も2017年4月よりテレビアニメの放送がスタートするということで注目を集めています。
あらすじ
次に、あらすじの方を簡単にではありますが、引用させていただきます。
千年の都・京都。ここでは古来より、人に化けた狸と天狗が、人間に紛れて暮らしていた。糺ノ森に住む狸の名門・下鴨家の父であり、狸界の頭領「偽右衛門」でもあった総一郎はある年の瀬、人間達に狸鍋にされ、帰らぬ狸となってしまった。遺された「下鴨四兄弟」の三男で「面白く生きる」がモットーの矢三郎は、天狗の赤玉先生の世話をしつつ弁天の美しさに魅かれ、夷川家の金閣・銀閣と張り合うなど退屈する暇もない。長男・矢一郎は次期「偽右衛門」を目指す。しかし下鴨家は父を狸鍋にした金曜倶楽部に狙われる。父の死に秘められた真実が明らかになり、下鴨家の逆転劇が始まる。(「有頂天家族」Wikipediaより引用)
キャラクターのリンク
☆「夜は短し歩けよ乙女」:李白&「有頂天家族」:寿老人
まずは、「夜は短し歩けよ乙女」の李白というキャラクターを解説しておきます。彼は高利貸しや偽電気ブランの卸売りをしている富豪の老人です。また、かなりの酒豪で、劇中では「黒髪の乙女」と偽電気ブランの飲み比べ対決なんかをやったりもしています。また3階建ての巨大な電車のような自家用車を愛用しています。映画版の声優は麦人さんです。
©森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会 映画「夜は短し歩けよ乙女」公式サイトより引用
©幻冬舎・森見登美彦/有頂天家族製作委員会 アニメ「有頂天家族」より引用
以上の共通点から、李白と寿老人は同一人物ではないかと推測することができます。原作を読んだ限りではほぼ間違いなく同一人物です。ただ、アニメ版の声優は異なりますね。
☆「夜は短し歩けよ乙女」千歳屋の若旦那&「有頂天家族」大黒
まず、「夜は短し歩けよ乙女」に登場する千歳屋の若旦那ですが、彼は、主人公の「先輩」と一緒に李白氏の古本市に行ったりと所々で登場するキャラクターです。そして彼は閨房調査団という組織の代表を務めています。閨房調査団というのは、春画のような桃色資料を集めて、大秘宝館の建設をもくろむ人たちの集まりのことです。
次に、「有頂天家族」の大黒についてですが、彼は金曜倶楽部のメンバーで、千歳屋の若旦那という設定なんですね。声優は高橋良吉さんですね。
©幻冬舎・森見登美彦/有頂天家族製作委員会 アニメ「有頂天家族」より引用
もうこの時点でもお分かりのとおり、この2人は間違いなく同一人物だと思われます。アニメ版の声優は現時点で判明していないため、映画版を見てからのお楽しみである。「有頂天家族」のアニメ版と同じく高橋良吉さんが採用されていたら熱いですね。
・偽電気ブラン
この偽電気ブランというお酒は「夜は短し歩けよ乙女」、「有頂天家族」のみならず森見作品に非常に高い頻度で登場するものです。小説では、無色透明で芳醇、何杯も飲める美酒であるとされています。
もともと、電気ブランというお酒は現実に存在しています。ブランデーに独自の調合でジンやワイン、薬草などが配合されたリキュールということです。太宰治の「人間失格」の作中にもこの電気ブランというお酒が登場していました。
ただ、偽電気ブランというのは、森見作品中でその電気ブランを似せて作ったお酒なんですね。現在も提供しているかは不明ですが、「夜は短し歩けよ乙女」で黒髪の乙女が訪れた「月面歩行」というバーの由来であろう「bar moonwalk」というお店があって、そこでは偽電気ブラン風カクテルを提供していたそうですね。
そのバーのレシピでは、白ワイン(30ml)、梅酒(10ml)、ピーチリキュール(10ml)、ライム果汁(10ml)を配合していたようですね。
そのバーのリンクは以下に貼っておきますので、「夜は短し歩けよ乙女」の聖地、京都にいらっしゃった際は、立ち寄ってみると良いかもしれません。
リンク
bar moon walk:http://barmoonwalk.jp/sp/
「夜は短し歩けよ乙女」×「四畳半神話大系」
では次に「四畳半神話大系」という作品に触れていきます。こちらは概要だけ簡単に書いておきます。
概要
「四畳半神話大系」という作品は、2005年に森見登美彦さんによって発表された作品です。2010年にフジテレビのノイタミナ枠でテレビアニメシリーズが放送されました。本作は、並行世界の要素を取り入れていて、京都市を舞台に、大学3回生の男子学生が、1回生時に選んだサークルによって自らの大学生活をいかに変えていったか、その可能性を描く一人称小説です。
キャラクターのリンク
☆「夜は短し歩けよ乙女」:古本の神様&「四畳半神話大系」小津
まず、「夜は短し歩けよ乙女」に登場する古本の神様について解説しておきます。あらゆる書籍に関する知識を持っていて、神をないがしろにした収集家の書庫から本をさらっていくと言われています。このキャラクターは原作では美少年の設定なのですが、アニメ映画版では小津に非常に似たキャラクターデザインとなっています。声優は吉野裕行さんです。
次に、「四畳半神話大系」に登場する小津ですね。小津は本作のメインキャラクターで、主人公の宿敵であり悪友です。主人公は大学でどの道を選んでも小津に巡り合うという設定になっています。偏食家で顔色が悪く、妖怪のような風貌をしています。何と声優はこちらも吉野裕行さんです。
©四畳半主義者の会 アニメ「四畳半神話大系」より引用
さて、キャラクターデザインと声優さんが共通しているということからも分かる通り、古本の神様と小津というキャラクターは設定自体は違うのですが、リンクしていると言えると思います。
☆「夜は短し歩けよ乙女」:羽貫さん×「四畳半神話大系」:羽貫涼子
この羽貫さんというキャラクターは完全に一致しているので、分けて解説はしません。大酒飲みで酔うと他人の顔を舐めるという酒癖があります。また歯科衛生士をしていて、樋口の友人です。
こちらが、「夜は短し歩けよ乙女」の羽貫さんですね。声優は甲斐田裕子さんです。
©森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会 映画「夜は短し歩けよ乙女」予告編より引用
そしてこちらが、「四畳半神話大系」の羽貫涼子ですね。こちらも声優さんが甲斐田裕子さんです。
©四畳半主義者の会 アニメ「四畳半神話大系」より引用
☆「夜は短し歩けよ乙女」:樋口師匠×「四畳半神話大系」:樋口清太郎
「夜は短し歩けよ乙女」の樋口師匠は大学8回生で、浴衣を着こんだ妙な風貌の男です。天狗を自称していて、空を飛ぶなどそれこそ天狗のような術を扱います。声優は中井和哉さんです。
©森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会 映画「夜は短し歩けよ乙女」予告編より引用
「四畳半神話大系」の樋口清太郎は同じく大学8回生で、主人公が「良くて仙人、悪くて貧乏神」と例えるほどに常に悠然と構えています。弟子からの貢ぎ物で生活しております。また、浴衣に高下駄という天狗のような風貌をしています。アニメ版の声優は藤原啓治さんです。
©四畳半主義者の会 アニメ「四畳半神話大系」より引用
このキャラクターは完全に同一人物なのですが、藤原啓治さんが現在体調不良で療養中のため、今回「夜は短し歩けよ乙女」のアニメ版の樋口師匠の声優は中井和哉さんに変更されています。
☆「夜は短し歩けよ乙女」パンツ総番長
「夜は短し歩けよ乙女」に登場するパンツ総番長はある女性に一目ぼれしたことがきっかけで、その女性にもう一度会えるまで、パンツをはきかえないという願をかけた大学生です。アニメ版ではロバート秋山さんが演じています。
©森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会 映画「夜は短し歩けよ乙女」予告編より引用
このキャラクターは「四畳半神話大系」に明確に登場するわけではないのですが、未放送のセル版に収録されていたOVA『「地面潜航挺、女湯へ」〜閨房調査団桃色探索〜』で、エピソードして登場しますので、必見です。
まとめ
森見登美彦作品の作中リンクは挙げていくとまだまだあるのですが、今回は「夜は短し歩けよ乙女」の公開にちなんで、「四畳半神話大系」と「有頂天家族」との関連を記事にしてみました。
これを読んで、映画版への理解が少しでも深まるとともに、森見登美彦さんの他の作品にも興味を持っていただけらなあと思います。
今回も読んでくださった方ありがとうございました。
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