みなさんこんにちは。ナガと申します。
今回はですね、「ゴッドブレスアメリカ」という映画を紹介していこうと思います。
後ほど語りますが、映画館のマナームービーにして欲しいです(笑)
作品を未見の方のために、できるだけネタバレは避けて、書いていこうと思いますが、先入観を持ちたくないという方はご注意ください。
良かったら最後までお付き合いください。
目次
『ゴッドブレスアメリカ』
あらすじ・概要
現代社会に不満を抱える中年男と女子高生が、社会にはびこる許せない人々を抹殺していく姿を、ブラックユーモアとハードなバイオレンスを交え痛快に描くカルトムービー。
離婚、リストラ、不治の病と理不尽な不幸が続き自暴自棄になっていたた中年男フランクは、TVのリアリティ番組に出ていたわがままセレブのクロエに怒り爆発。クロエを拉致して処刑してしまう。
その様子を偶然目撃した女子高生ロキシーは、フランクの行為を絶賛。
2人はコンビを組み、マナーの悪い若者グループや過激な発言ばかり繰り返すTV司会者、狂信的な宗教指導者など、世の中の許せない奴らを次々と抹殺していく。
主演はビル・マーレイの弟ジョエル・マーレイ。
(映画com.より引用)
予告編
映画「ゴッドブレスアメリカ」を5つのポイントから解説
映画館のマナーを守れない奴はやっちまえ!!
(C)Darko Entertainment, LLC 2011 from “God Bless America” trailer
当ブログを読んでくださっている方はおそらく普段から映画館を頻繁に利用されている方が多いと思います。映画館を利用しているとどうしてもマナーの悪い人に遭遇してしまいますよね。
我慢するのか・・・。それとも注意するのか・・・。
我慢して、その状態で映画を見続けるのも苦痛ですし、かと言って注意して逆切れされたらどうしよう・・・。なんてことも考えてしまいますよね。
かくいう私も過去にもめ事になった経験があります。
映画「レヴェナント」をファーストデイに見に行った時のことです。
劇場は満席でした。そして映画の中盤くらいから、自分の隣に座っていた方がガラケーをパカパカパカパカし始めました。映画に退屈したんですかね?次第にその頻度が上がって来て、これは流石に我慢の限界だと思いまして、やんわりと注意しました。
「眩しいので止めてもらっても良いですか?」
するとその人は突然逆ギレ!!その方の言い分としては「時間見てただけやろが!!」とのことでした。どんだけ時間気になってるんですかね?
ということで、その方には、勝手に「ウォッチメン」というニックネームをつけさせていただきました。
まあ、逆ギレはされたんですが、それでその方はガラケーをパカパカしなくなったので、結果オーライでしたね。と、やっぱりこんなトラブルに発展することもあるので、なかなか注意する勇気を出せない方もいますよね。
上映中にケータイ電話使う奴!!
上映中にポップコーンこぼしまくってる奴!!
上映中に電話しちゃう奴!!
上映中に騒ぎ出す奴!!
(C)Darko Entertainment, LLC 2011 from “God Bless America” trailer
そして、マナーの悪い家族たちを注意していたお母さん!!
・・・だけは殺さない。
ここがまた良いんですよね。マナーのなってない奴だけをやっちゃう。
さすがに現実でマナーの悪い客がいたら銃でバンバンなんてわけにはいきません。ですが、こういう映像を見るだけでも心が晴れやかになりますよね。
映画館のマナームービーをこの映画「ゴッドブレスアメリカ」のこのシーンにしたらすごく効果があると思うんですよね。まあ倫理的に問題ありすぎるので実現は不可能だと思いますが(笑)
でも、現在のイオンシネマの前身であるワーナーマイカルシネマズのマナームービーって皆さんご存知ですか?
このマナームービー個人的にすごく好きなんですよね。YouTubeに落ちてたので、一応リンク貼ってみますね。
マナーの悪いキャラクターをゴミ呼ばわりしてゴミ箱に投げ込んじゃうんですよね(笑)
でもこれくらいインパクトが無いと、マナーを守ってもらえないのかも知れません。
ぜひ大手シネコンのマナームービーで、映画「ゴッドブレスアメリカ」の映画館シーンが採用されて欲しいなあなんて考えてしまいますね。
まあ、現実でやっちゃうのはダメですから、定期的にこの映画を見て、映画館での苦い経験を水に流しましょう・・・。
以前に当ブログで書いた映画館のマナーに関する記事を紹介しておきます。以下にリンクを掲載します。
アメリカ社会への痛烈な皮肉??
(C)Darko Entertainment, LLC 2011 from “God Bless America” trailer
本作ってもうアメリカ社会への痛烈な皮肉がてんこ盛りなんですよね。
黒人、ユダヤ人差別問題。テレビ番組の個人情報を出したうえでの誹謗中傷。どんどんと過激な発言をするコメンテーター。映画館で騒ぐ人たち。富を見せびらかす富裕層。
何というか現代アメリカのいろいろな闇の部分がギュッと凝縮された映画になっています。
そして、そんな現代アメリカの闇に中年おじさんとJKが徹底的に銃を向けていきます。
ムカついた奴は片っ端からやっちまう!!
何でもあり。片っ端から銃で撃っちまえ!という爽快感が良かったですね。
現代版「ノッキン・オン・ヘブンズドア」??
(C)Darko Entertainment, LLC 2011 from “God Bless America” trailer
皆さんはドイツ映画の傑作「ノッキン・オン・ヘブンズドア」という作品をご存知でしょうか?余命わずかな2人の男が死ぬ前に海を見に行こうと言いだして、もうやりたい放題やっちゃう傑作ロードムービーです。
今作の主人公も実は余命が残り僅かであることを宣告され、ある意味で人生の意味を見失って、人生の最後に世の中を粛正してやろうと、ムカつく人間はやっちまおう!ということで立ち上がるんですよね。
映画「ノッキン・オン・ヘブンズドア」のラストシーンも伝説のワンシーンだと言われていますが、今作「ゴッドブレスアメリカ」のラストシーンもすごくインパクトがあります。
中年おじさんとJKが最後に行きつく先は・・・。ぜひそのラストをご自分の目でお確かめください。
「映画VSテレビ」の構図が根底に??
(C)Darko Entertainment, LLC 2011 from “God Bless America” trailer
今作「ゴッドブレスアメリカ」では、「映画VSテレビ」の構図が関係してきているように思うんですね。
映画とテレビというメディアは、長年にわたって技術的な面やビジネス的な面で常にライバル関係のメディアであると言っても過言ではありません。
一昨年公開された映画「ナイトクローラー」でもアメリカのテレビワイドショーの裏にある黒い真実を描いて見せましたよね
そして今作「ゴッドブレスアメリカ」でも、テレビに映し出される映像をすごく皮肉的に切り取っています。
注目されるために過激な発言ばかりを繰り返すコメンテーターや、いかに派手なニュースを放送するかにこだわるワイドショー、人種差別的なコメディ番組、個人を名指しで批判するオーディション番組などなど、現代アメリカのTVショウではお馴染みの番組たちを次々と批判的に描き、そしてそれが主人公たちの殺害の動機にも繋がっていきます。
そしてこれを映画という媒体で描いているのが、また面白いですよね。ある意味で、この映画は現代アメリカテレビ界への挑戦状なのかもしれませんね。
共感できない?矛盾してる?
(C)Darko Entertainment, LLC 2011 from “God Bless America” trailer
この「ゴッドブレスアメリカ」のレビューを眺めていますと、「主人公たちの行動原理が矛盾しまくり」「主人公たちに全然共感できない」といった意見を多く目にしました。
私も全く同意見です。この映画を見た方で、主人公の中年おじさんとJKの考え方や行動原理に共感できた!という人は少ないと思います。
また、詳しくは作品を見て欲しいので言いませんが、とにかく彼らの行動と発言は矛盾しすぎです。
ただ、多分これこそがこの映画の良いところなんですよね。というのも、登場人物に共感できてしまったら、欲求不満の解消がフィクションの域を飛び出してしまうんですよね。
だからこそ、あえて製作陣は、見る人が感情移入できない、共感できないキャラクターづくり、プロットづくりに舵を切ったのだと思います。
つまるところ、この映画は反面教師のようなものなんですよね。確かにムカついた奴を片っ端から、銃で撃ってしまえれば楽だろうな・・・なんて妄想は誰もがしてしまうと思います。
でもこの映画を見ることで、疑似的にではありますが、それを現実にしてしまった自分の行動を客観的に見ることができるんですよね。そしてその情けない、全く共感できない姿を見て、妄想を現実にするのは止めておこうと踏みとどまれるんです。
ある意味「ムカデ人間2」みたいなものですよね。妄想してみて、それがどういう結果を招くのかを想像してみて、犯行に及ぶのを踏みとどまるわけですから。
ですので、あえて矛盾や共感できないポイントを作り出すことで、この映画の社会的影響力を上手く削ぎ落して、純粋なブラックコメディの域にとどめようとしたんだと私は考えています。
おわりに:フィクションとリアル
いかがだったでしょうか。
今回は映画「ゴッドブレスアメリカ」についてお話してきました。
最近、日本でも映画やアニメ、マンガが、悪影響を与えるということで描写規制を受けていますよね。
確かにフィクションの世界では、現実ではできない、やってはいけないことを「できる」のです。いかしその特権を行使すると、糾弾され規制されるような時代になってしまいました。
私は、何でもかんでも規制!規制!という風潮があまり好きではありません。確かに、フィクションで描かれたことが、悪影響を与える可能性を100%否定することはできません。
ただ、現実ではできないことを、現実では絶対に満たせない欲求を満たせるのがフィクションだと思うのです。
我々は、自分が抱えている現実社会では承認されることの無い欲求を、フィクションの世界で疑似的に充足させることができるんですよね。描写規制によって、その機能をどんどんと制限してしまうとむしろ、満たされなくなった欲望を現実で満たそうという方向に向かっていくケースも生じてくると思うのです。
だからこそフィクションの世界は、自由であり続けて欲しいんですよね。もちろん特定の人を誹謗中傷する内容なんかはこの限りではありません。
この映画「ゴッドブレスアメリカ」の映画館での殺害シーンを見て、これを実際にやってみようと思う人よりも、この映画を見て少しの満足感を得て自分の欲望を充足させる人の方が圧倒的に多いと私は思います。
今回、「ゴッドブレスアメリカ」を見ながら、最近の何でもかんでも規制!規制!の風潮について、ふと考えてしまった次第です。
とりあえずまとめますと、この映画は我々が普段日常生活で蓄積した欲求不満たちを解消してくれるグレートな映画だということです。
ぜひ、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?
今回も読んでくださった方ありがとうございました。