目次
はじめに
みなさんこんにちは。ナガと申します。
みなさんはテレビアニメをどれくらいの頻度でご覧になりますか?当ブログは映画ブログですので、このブログの読者の多くはもしかしたらあまりテレビアニメをご覧にならないかもしれません。
近年、1クールにテレビアニメが30本、40本と放送されるようになっているんですね。そういう事情もあって、なかなか放送されている全ての作品をチェックするということが難しくなってきていると思うわけです。
そうなると、どうしても一部の目立った作品に視聴者が集まって、目立たない作品はほとんど話題になることもなく放送を終えて、人々の記憶から忘れ去られていくという状況になってしまいます。ただこれは市場の原理としては、当たり前のことです。注目される作品、魅力的な作品が人気を集めて、話題になり、興行的に成功するのは至極当然のことなのです。
ただ、それにしても近年は放送されるアニメの数が増えすぎです。そのために、もっと注目されていいような作品が埋もれてしまう傾向があると思います。
ということで、今回は当ブログ管理人が、もっと注目されて欲しいと感じている作品を10作品ほど紹介してみたいと思います。
良かったら最後までお付き合いください。
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「C」
・あらすじと概要
2011年の春からフジテレビのノイタミナ枠で放送されていたテレビアニメです。
ジャンルとしては、SF、サスペンス、マネーゲームを融合させたものですね。
近未来の日本では、ミダスマネーという謎の黒い紙幣が流通するようになっていました。主人公の大学生はある日、謎の男に「あなたの未来を担保にお金を貸す。」と言われます。すると、彼の銀行口座には、多額の現金が振り込まれます。つまり自分の将来をお金に変えてしまったということなんですね。そしてその謎の男に案内されるのが「金融街」と呼ばれる謎の世界。そこではミダスマネーを奪い合う「ディール」と呼ばれる戦いが繰り広げられていたのでした。
本作で、ディールを通じて、マネーを奪い合う人々のことを「アントレプレナー」と呼称し、アントレプレナーがディールを行う際に戦うパートナーを「アセット」と呼称します。また「アセット」はプレーヤーの未来を具現化したものであると言われています。
しかし、金融街で起きた出来事が現実世界にも影響を与えることが分かっていきます。主人公は自分の未来を守るために戦いに身を投じることになります。
・本作の魅力
本作の魅力はやはり世界観や設定がすごく面白いということです。「時は金なり」なんて言葉がありますが、このアニメではまさしく時は金なんですよ。自分の未来を担保にして、お金を得て、それを元手にマネーゲームを繰り広げていくのです。勝てば、自分の未来を買い戻し、大金を得る事ができますが、負ければ破産します。そして金融街で破産すれば、それが現実世界の自分の未来の消失を意味するわけです。
この世界観がすごく目新しくて、放送当時も毎週テレビにくぎ付けになりました。毎週毎週読めない展開の連続、そしてアントレプレナーたちの栄光と敗北。主人公の相手たちにも、どうしてもこの危険なマネーゲームに身を投じなければならない事情があるのです。自分の未来を犠牲にしてでも今、金が必要な事情があるわけです。だからこそ、負けた者たちの悲哀が切ないのです。
自分の時間や「未来」がどんなに大切なものなのかということを本作を通じて痛感させられます。「未来」を取り戻すために戦う者たちの姿をぜひご覧ください。
「つり球」
・あらすじと概要
2012年の春からフジテレビのノイタミナ枠で放送されていたテレビアニメです。
ジャンルとしては青春友情、SF、釣りを合わせたものになっています。
本作は神奈川の江の島を舞台にして繰り広げられる爽やかな青春アニメになっています。主人公は高校生のユキです。彼は府rナンス人のクオーターで、転校を繰り返していることもあって他人とのコミュニケーションが不得意です。そのため、彼には友達と呼べる人がいませんでした。そこに宇宙人を自称する転校生ハルが現れて、彼を強引に釣りに誘います。ユキは釣りを通してハルや他の人たちとの交流を深めていくのでした。
・本作の魅力
この作品を放送していた時、同じタイミングでノイタミナ枠で「坂道のアポロン」という作品を放送していたこともあって、個人的にはそんなに注意深く見ていた作品ではなかったんです。
そもそもこの作品は序盤はかなり平凡な青春アニメの様相を呈していました。ですので、特筆して面白い作品だとは思っていませんでした。ただ、放送を経るごとにどんどん作品の魅力が増していくんですね。
少しづつ主人公のユキが変わっていく様子や、その周りに友情が芽生えていく過程がすごくみずみずしく描かれています。何だかバカバカしい毎日が淡々と続いていくのですが、ただその日常がこの上なく美しいのです。だからこそ時にはほろっと涙がこぼれてしまいます。
その上で、本作が掲げる「釣りで世界を救う」という表題の通り、宇宙人ハルがユキをなぜ釣りに誘ったのか?なんてことも明かされ、それも物語に大きく絡んできます。
友達と過ごす、それだけで幸せだった。何だか自分の幼いころのキラキラとした記憶が鮮明によみがえってくるような感覚を味わえる素晴らしい作品です。本作を見て、友情の尊さについて今一度考えてみてはいかがでしょうか?
「青い花」
・あらすじと概要
本作は2009年7月からフジテレビ系列で放送されていたテレビアニメです。
ジャンルとしては百合、ラブストーリーになります。
原作は「放浪息子」の作者としても知られる志村貴子さんです。
江の島や鎌倉を舞台に繰り広げられる2人の女子高生たちの恋愛模様を水彩画のようなタッチで繊細に描き切った作品です。それぞれ別々の高校に通う主人公のふみとあきらは元々は幼馴染同士でした。そして2人は高校に通うようになってから、ふとしたきっかけで再会します。近いようで遠い、お互いに思い合っているのに、通じ合えない。もどかしい2人の少女の恋愛物語が、緻密な心理描写と美しい映像と共に語られる素晴らしい作品だと言えます。
・本作の魅力
本作は私の中では、今でもマンガ原作のアニメの中で最も成功したアニメ作品です。原作の雰囲気や主題性をここまで精密に継承できたアニメ作品は他にはありません。そう断言できます。
まずは、圧倒的に映像が美しいです。水彩画のようなタッチで描かれる鎌倉や江の島の風景。この美しい背景描写が作品の格を一段階も二段階も高めてくれているように感じます。
そして、キャラクターの描写も素晴らしいです。登場人物たちの言葉にするのも難しい、思春期特有のカオスな感情や心情をまさに「絵」で見せつけてくる様は圧巻です。これほど繊細な表情描写は他の作品ではなかなか見られません
女性同士の恋愛が描かれているということは重要ではありません。思春期の少女たちが「恋」や「愛」といった不確定な感情を少しずつ実感していく、その過程を繊細かつ美しく、そして時に生々しく描き切ったこのテレビアニメには最大限の賛辞を贈りたい思いです。
「謎の彼女X」
・あらすじと概要
本作は2012年の4月から放送されていたテレビアニメです。
ジャンルとしては、ラブストーリーになるんですが、ちょっと一くくりにはできません。
原作は植芝理一という方が書いていて、全12巻で完結しました。
主人公の明とヒロインの美琴の不思議な恋愛模様を描いていく作品になります。主人公の明のクラスに謎の転校生美琴がやって来ます。お互いに関わることはありませんでしたが、ある日の放課後に教室でうたたねをしていた美琴が机に残した唾液を、明が舐めたことがきっかけで二人の距離は近づいていきます。そして明は美琴に告白し、2人は恋人関係になるのでした。唾液を媒介として繋がる2人の奇妙な恋愛模様を独特のタッチで切り取った意欲作と言えるでしょう。
・本作の魅力
やはり最大の魅力は、この設定のトンデモなさですよね。主人公カップルは唾液を通じて結びついているのです。美琴は自分の唾液を他人に舐めさせることで、自分の考えや感情を伝える事ができます。一方で、美琴は他人の唾液を舐めることでその感情を理解することもできます。
本作は、この唾液という奇妙なモチーフが2人の恋人関係を少しずつ強固にしていく過程を不思議な雰囲気の中で描いています。
また、主人公が見る夢の内容がストーリーの内容に影響を及ぼしていくという、なんともSFチックな要素も孕んでいます。
この「謎の彼女X」という作品は、世界一奇妙なラブストーリーであり、同時に超正統派なラブストーリーということもできるのです。ぜひその不思議な世界観を体感してみてください。
「ココロコネクト」
・あらすじと概要
本作は2012年の7月から放送されていたテレビアニメです。
ジャンルとしては青春、恋愛、学園を合わせたものになっています。
原作は庵田定夏さんが手掛けていて、すでに完結しています。
本作は5人の主人公たちが「ふうせんかずら」と呼ばれる謎の存在によって、謎の現象に巻き込まれていく物語を描いています。突然、5人の中の誰かと人格が入れ替わる「人格入れ替わり現象」、自分の欲望を抑えきれなくなる「欲望開放」、身体が幼児退行してしまう「時間退行」、他人に自分の感情が伝わってしまう「感情伝導」などの現象が次々に5人に降りかかります。その中で、5人が着実に友人関係を、そして恋愛関係を深めていき、現象を乗り越えていく様子が描き出されます。
・本作の魅力
最初に本作のジャンルは青春、恋愛、学園モノです、と書いたので、キラキラした青春学園モノをイメージした方が多いと思います。ただこの「ココロコネクト」という作品、実は真逆なんですよ。
ひたすらに登場人物たちのドロドロとした感情を映し出し、徹底的に登場人物同士を衝突させます。そして、その過程で少しづつその関係性が変化していく様を描きます。
それを描く上で「ふうせんかずら」が彼らに課す現象の数々が言うまでも無く収容な役割を果たしています。その現象を描くために登場人物を動かしているのではなく、あくまでその現象によって登場人物が動かされ、翻弄されていく姿を描くことにこだわっています。だからこそ「ふうせんかずら」が課す現象の数々が作品の中で活きています。
思春期の少年少女が戸惑い、苦しみながらも、少しずつ自分たちの未来を勝ち取ろうとする姿はどうしても魅力的に見えてしまうんですよね。
本作は、私がアニメを見て影響されて購入に踏み切った最初で最後のライトノベルなんですよ。それくらい、当時高校生だった私にはインパクトが大きい作品でした。
「true tears」
・あらすじと概要
本作は2008年1月から放送されたテレビアニメです。
ジャンルとしてはラブストーリーということになります。
絵本作家を目指す仲上眞一郎は、両親を亡くして仲上家に引き取られてきた比呂美と両親の4人で暮らしていました。眞一郎はそんな比呂美に幼少期から恋心を抱いていました。一方で、比呂美も諸処の事情から認められないことは分かっていながらも、眞一郎に好意を抱いていました。そんな眞一郎はある日学校で石動乃絵という少女に出会います。彼女との出会いから、物語が進行していきます。眞一郎を巡る恋愛模様、それぞれの登場人物が自分の人生に向き合う様を丁寧なタッチで描き切りました。
・本作の魅力
私がもっとも愛するアニメ製作会社P.A.WORKSが最初に製作した長編アニメーション作品がこの「true tears」という作品です。
本作は、「真実の涙」をテーマにした作品です。誰かを思って流した涙は自分を一回り成長させてくれる。そんな涙をそれぞれの登場人物たちが流し、自分の人生と心に向き合いながら少しずつ前に進んでいく姿が緻密な人物描写によってしっかりと表現されています。
私は、全てのアニメ作品の中で、この「true tears」を上回る作品は存在しないと断言できます。それくらいに評価が高い作品です。
終始重苦しい雰囲気に包まれていて、ひたすら登場人物たちの苦しみと悩みと葛藤にばかりスポットが当たるのですが、だからこそ終盤に待ち受けるそれぞれの登場人物たちの「希望」が見えた時に、大粒の涙がこぼれます。
誰かを思って涙を流す。その尊さと美しさを改めて考えさせてくれる素晴らしい作品です。
「東京マグニチュード8.0」
・あらすじと概要
本作は2009年7月からフジテレビのノイタミナ枠で放送されていた作品です。
ジャンルとしましては家族モノ、災害モノといったところでしょうか。
東京にマグニチュード8.0の巨大地震が起こります。お台場に弟と遊びに来ていた主人公の少女未来はそこで巨大地震に巻き込まれます。未来は弟と共に交通網が完全にマヒした東京で自宅を目指すことになります。さまざまな人物との出会いや別れの中で、成長していく未来の姿が生き生きと描き出された作品です。
・本作の魅力
とにかく最終回がやばいんです。それだけは言っておきましょう。そんなん泣かないわけないでしょという・・・。
でも最終回であんなに泣いてしまうのは、それまでの積み重ねが丁寧だからこそなんですよね。
本作のキャッチコピーは「家族に会いたい、と初めて思った」でした。これは秀逸でした。家族や日々の生活に不満を感じ、「こんな世界無くなってしまえば良い」と思っていた主人公の未来。そんな一人の少女が自分の生きていた世界の、生活の崩壊に直面して、少しづつ人間として成長していきます。そしてそんな少女の物語に待ち受ける帰結とは・・・?
家族の大切さ、どんな時も誰かを思って行動することの尊さを再確認されてくれる作品です。このアニメを見たら、自分が今、当たり前のように一緒に居る家族という存在がなんてありがたいものなんだろうかということを実感させられるのです。
「あの夏で待ってる」
・あらすじと概要
2012年の1月から放送されていたテレビアニメです。
ジャンルはSF、ラブコメディになるでしょうか。
監督は「とらドラ!」や「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」、「心が叫びたがってるんだ。」の監督としても知られる長井龍雪です。
主人公の海人が湖で8mmカメラを回していると、ある日空から何かが落ちてきて辺りは閃光に包まれます。海人はもうろうとする意識の中で一人の女性の姿を見ました。そして海人の通う高校に一人の少女が転校してきます。その少女こそがあの日海人を助けたイチカなのでした。海人はイチカに好意を寄せます。そして幼馴染の柑菜は海人に好意を寄せています。そして友人の哲郎は柑菜に好意を寄せています。また別の友人美桜は哲郎に好意を寄せています。まさに「全員片思い」の状況で、彼らが過ごすひと夏の物語が始まります。彼らの恋愛模様がどのように進んでいくのか?
・本作の魅力
本作で「滑り台ヒロイン」という言葉が確立されたと言っても過言ではないのかもしれません。主人公に振り向いてもらえない、柑菜というサブヒロインが本作の後半では、もう完全にメインヒロインと化していきます。
ちなみにこの谷川柑菜というキャラクターは、私が全ての女性アニメキャラクターの中で一番好きなキャラクターでもあります。
宇宙からやって来た少女と地球の少年の恋物語と聞くと、ありがちに思えるかもしれませんが、それでも今作は一際魅力的です。
ひと夏の映画撮影、イチカという少女が現れたことによって急激に動き始める恋愛模様。いつまでも仲の良い幼馴染でいられると思っていた彼ら。戸惑いながらも、それぞれの思いを伝えあい、関係性を変化させていく彼らのひと夏の物語から目が離せません。
喜びや悲しみ、痛み、そういうの全部ひっくるめて、たった一度の「あの夏」が始まる。
「異国迷路のクロワーゼ」
・あらすじと概要
本作は2011年7月から放送されたテレビアニメです。
ジャンルとしては、異国交流となっています。
本作の原作は武田日向という方が書いていたのですが、残念ながら作品の完成を前にして、亡くなってしまったので未完という扱いになっています。
19世紀後半のヨーロッパが舞台になっています。その時代に一人の日本人少女、湯音が単身でフランスへと渡りました。彼女はパリにある鉄工芸店「ロアの看板店」でクロードの下で働くこととなります。そんな湯音が文化、価値観等の違いに戸惑いながらも、成長し生きていく姿が生き生きと描かれています。
・本作の魅力
やはりシリーズ構成・音響監督に「たまゆら」や「ARIA」に携わっている佐藤順一が参加しているということもあって毎週落ち着いて、安心して見られる作品でした。
異国交流ものということで、重いテーマ性なんかを期待して見る方もいるとは思いますが、そんなことを期待する必要はありません。あくまで「ご注文はうさぎですか」のような日常を見るような姿勢で見ると良いと思います。
魅力的なキャラクターたちとその日常がただただ描かれるだけですが、そこにはドラマがあり、見終えると少しだけ心が温かくなるような物語になっています。
自分の心が疲れた時に見ると、心の深い部分のじんわりと温めて、癒してくれる。そんな作品だと思います。ぜひとも身構えずに、気軽に見て欲しいですね。
「亜人ちゃんは語りたい」
・あらすじと概要
本作は2017年の1月から放送されていたテレビアニメです。
ジャンルとしては、学園もの、異種間交流ものという感じでしょうか。
普通の人間とは違う存在としてかつて迫害されていた「亜人」特別な人間たちが、世間に認められた世界を舞台にしています。そして主人公の生物教師高橋鉄男は亜人に興味を持っていました。そんな時、亜人の1年生3人と新人教師がやってきます。彼らはそれぞれに「亜人」だからこその問題や悩みを抱えながらも、高橋や仲間の支えもあって乗り越えていきます。そんな彼らの日常を描いた学園コメディとなっています。
・本作の魅力
私はこの作品は、ある種の「道徳の教科書」のような作品だと思うんですね。我々が普段から何気なく使っている「平等」や「差別」といった言葉の意味を深く考えさせてくれます。
また崇高なテーマ性を孕みながらも、決して暗い雰囲気にならないので、見やすい作風でもあると思います。
加えて、本作の主人公高橋鉄男に我々は多くのことを学ぶ事ができます。彼の考え方や生き方を知ることだけでも、本作を見る意義は大きいです。
「亜人」ちゃんたちの日常を描きながら、そこに生まれるハートウォーミングな物語に笑えたり、泣けたり、時に考えさせたりと退屈せずに全12話をあっという間に見終えることができる作品です。ぜひチェックしてみてください。
おわりに
いかがだったでしょうか?
皆さんがまだご覧になったことの無い作品はありましたか?
もしこの記事で興味を持っていただけた作品がありましたら、ぜひともチェックしてみて欲しいと思います。
また、逆に皆さんの好きなテレビアニメでお勧めがありましたら、コメント欄等で教えていただけると嬉しく思います。
今回も読んでくださった方ありがとうございました。
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