アイキャッチ画像:『SHAPE OF LOVE』オフィシャルトレーラーより引用
目次
はじめに
みなさんこんにちは。ナガと申します。
今回はですね、8月23日に大阪で行われた「BiSH to the Theater 2」というイベントに参加して、ドキュメンタリー映画「SHAPE OF LOVE」を見てきましたので、その感想を書いていきたいと思います。
最初に書いておきますと、当ブログ管理人の清掃員歴はめちゃくちゃ浅いです。というのも私が映画経由でBiSHを知ったという側面が大きいからですね。エリザベス宮地監督の前作「ALL YOU NEED IS PUNK and LOVE」と「アイドルキャノンボール2017」というドキュメンタリー映画を見て、存在を知り、楽曲を聞くようになりました。
そういうことですね。清掃員の間では、「オーケストラ新規」という言葉があるようですが、私はそれよりももっと歴の浅い超にわかということになります。ただ半端な気持ちで応援するのも失礼かなと思いまして、いろいろとBiSHの歴史やら楽曲やら、関連してBiSのことなんかも勉強しているところでございます。
まあそんな超がつくほどの新規ファンが書いている記事ではありますが、良かったら最後までお付き合いください。
『SHAPE OF LOVE』概要
このドキュメンタリー映画は基本的に2018年に入ってからのBiSHの物語を描いています。前作の「ALL YOU NEED IS PUNK and LOVE」からそのまま地続きで繋がっている、時系列的にも正統続編と言える作りでしょう。
2018年冒頭から続いていた『BiSH pUBLic imAGE LiMiTEd TOUR』が全国で開催されている様子にエリザベス宮地さんが密着し、その裏に隠されたメンバー6人のそれぞれの苦悩や葛藤、そして愛に焦点を当てた物語に仕上がっています。
そしてメンバーたちがどんな心境で『BiSH to the end』の横浜アリーナ公演を迎えたのかという部分までが描かれます。「end」という言葉が入ったこのツアー。BiSが辿りついた最後の舞台。そしてその先へと進んでいくBiSHを描き切った本作はまさに彼女たちの「終わりと始まり」を描いたドキュメンタリー映画と言えるでしょう。
前作の「ALL YOU NEED IS PUNK and LOVE」では、宮地さんが完全にアイナに惚れ込んでしまい、作品の中で告白してしまうという、彼の私的ドキュメンタリー的な側面も強かったのですが、今回の『SHAPE OF LOVE』はメンバー全員に焦点が当たっていて、全員の魅力が引き出せていました。
Blu-ray/DVDが8月29日に発売されるようなので、興味のある方はお手に取ってみて欲しい内容です。
ずっと清掃員として応援し続けてきた方、私のようなまだまだ清掃員歴の浅い方、これからBiSHを好きになるであろうあなたにもおすすめしたい素晴らしいドキュメンタリーになっていたと思います。
当ブログ管理人がおすすめするBiSHの楽曲をまとめた記事もあります。ぜひこちらも読みに来てください。
参考:必聴?BiSHのまずは聴いておきたいおすすめの曲を15曲ご紹介!!
オフィシャルトレーラー
6人のメンバーとそれぞれの愛の形
今回のドキュメンタリーでは2時間の尺の中でBiSHのグループとしての物語がありながら、それでいてそれぞれのメンバーにしっかりと焦点が当たって、その苦悩や葛藤に向き合っていく姿が印象的でした。今回は上記のトレーラー映像で登場したパートを中心に、あまり本編のネタバレになりすぎない程度でお話していければと思います。
アイナ・ジ・エンド
アイナさんは2016年の終わりに声帯の手術を受けることを発表していて、一時期活動を休止していました。声帯結節に2つ腫瘍が出来ていて、それを取り除く手術だったようです。
しかし、完全に完治しているというわけではなくて、この病気とは彼女がボーカリストとして活動し続けるうえで、ずっと向き合っていかなければならないのだという悲壮な決意を語っていました。
病気と向き合いながら、そして時には喉がつぶれてライブで満足のいく歌唱が披露できず、涙しながらもボーカリストとしての覚悟を胸にひたすらに突き進んでいく彼女の姿が印象的で、思わず涙を誘います。
また、近年成長が著しいと言われるBiSHですが、清掃員の方々はその成長のきっかけにはアイナさんの手術と活動休止があったと言っておられますよね。本作『SHAPE OF LOVE』でもそんな、BiSHの歌唱におけるアイナさんへの負担の大きさが取り上げられていて、それをメンバーがどう受け止めて、グループとしてどうやって彼女を支えていくのかという部分が描かれています。
セントチヒロ・チッチ
チッチさんはとりわけ清掃員の方々との関わりや繋がりに関するエピソードが多かったように思いました。その中でも特に取り上げられていたのが、かつて沖縄公演で、ダイエット企画に失敗して、リーダー降格を言い渡された時の出来事のようです。
あの時、彼女は本当にBiSHを辞めることを考えていたと言いますし、そんな時に、自分を応援してくれる清掃員の存在がいたからこそ、前を向いて活動を続けてこられたんだという熱い思いを語っています。
トレーラー映像にもある、大阪公演での清掃員による「オーケストラ」合唱に涙する彼女の姿が非常に印象的で、グッときました。
ハシヤスメ・アツコ
ハシヤスメさんの主題は前作の「ALL YOU NEED IS PUNK and LOVE」から変わらずで、コントでした。コントが面白くならないのなら、ハシヤスメがBiSHにいる意味が無いという厳しい言葉も飛び交いながらも、それでも懸命に模索を続ける努力が描かれていて、非常に印象的でした。
またコントだけでなく今回のドキュメンタリーではこれからのBiSHは「成長」ではなく「完成形」を見せていかなければならないんだという決意が通底していたように思いました。
それはもちろんハシヤスメさんが主体となって行われているコントもそうで、これからBiSHがもっと大きな存在になるためには1発で、見る人の心に残る何かを提供しなければならないわけで、そう考えた時に、コントもまた1発で観客を笑わせるだけの完成度が必要なんです。
またコント以外にも彼女がグループの中で果たしているムードメーカー的な役割がきちんと描かれていましたし、アユニさんとの密かな交流なんかも描かれていました。
モモコグミカンパニー
最近コグミばかり食べている当ブログ管理人です!(笑)
それはさておきまして、今作『SHAPE OF LOVE』の主役と言ってもいいくらいに目立っていたのがモモコさんでした。彼女の物語の中心は2018年のWACKオーディション合宿でしたね。これはトレーラー映像を見ても分かる通りだと思います。
彼女はBiSHの「モモコグミカンパニー」として、1人の女性として候補生たちにどうやって向き合っていけば良いのだろうかという苦悩を抱えることとなります。WACKオーディションはニコ生カメラにアピールできた人が勝ち残っていくことができるシステムになっています。
そんな中で彼女が取った、自分を殺して、候補生たちの「個性」を引き出してあげようというアプローチは、候補生たちの「見えない部分」を引き出してあげたいという思いからだったんでしょうね。
「見えているものだけが全てじゃない。」
この映画の中で特に印象的だったモモコさんの言葉ですが、これって彼女が「モモコグミカンパニー」として発した言葉ではないと言うところが肝要だと思うんです。
彼女は1人の人間として「見えているものが全てではない」と思っているんだと思いますが、BiSHの「モモコグミカンパニー」としては「見えているが全てなんだ」と思っているんだと思います。だからこそ彼女はWACKの合宿にBiSHとして参加するというよりも、自分を滅してでも候補生のために尽くしたんでしょうね。
「見えている」で評価されるために、自分の劣等感を払しょくするために戦い続ける彼女の姿に思わず涙がこぼれました。
リンリン
当ブログ管理人の推しです。
それはさておきまして、この映画においてエリザベス宮地さんが一番印象に残っているとも語っていたリンリンさんの言葉がやはり本作の重要なテーマになっていたことは間違いないでしょう。
「なんか全部幻って感じ。人生の頑張り時って感じ。多分ほんの一瞬だからBiSHは。幻になっちゃいそう。でも一番光ってそう。」
トークショーの際にモモコさんがこの言葉を受けて、BiSHとして活動できるのがほんの一瞬のことなんだということを噛みしめて1日1日全力で活動していかなければならないという思いを語っていたのも印象的でしたね。
『SHAPE OF LOVE』の中で、また前作の「ALL YOU NEED IS PUNK and LOVE」の中でもそうでしたが、BiSHのメンバーには自分たちはもう大丈夫だという安心感があるという指摘がなされていました。
でもそれってリンリンさんの言うようにほんの一瞬かも知れないし、幻かも知れないわけです。それを一瞬で終わらせないために、毎日の活動を大切にしていくんだという彼女たちの思いがこのドキュメンタリーからひしひしと感じられたことに非常に感動しました。
アユニ・D
やはりドキュメンタリーの中でも泣いているシーンが多かったアユニさん。特に印象的なのが、地元北海道でのライブで客席にいる母親を見て、頭が真っ白になり、歌詞が飛んで、ライブ後に号泣している彼女の姿ですね。
メンバーの中で一番若くて、そして一番加入してからの月日が浅い彼女ですが、だからこそまだまだ「危うさ」と「脆さ」を感じさせます。歌唱にしてもそうですし、ちょっとしたトークにしてもそうです。
しかし、そんな「危うさ」を見て、清掃員の方々は思わず彼女を応援したくなるんだとも思いました。これから彼女がどんな風に成長していくのか楽しみですね。
どんどんと歌唱力が向上している彼女。これからも目が離せませんね。
近く見えるけどめちゃくちゃ遠い、一瞬の輝き。
『SHAPE OF LOVE』オフィシャルトレーラーより引用
「あれってめっちゃ近くに見えるけど、めっちゃ遠いんですよね。」
映画館の座席で壇上の彼女たちからほんの数メートルのところで映画を鑑賞していたのですが、そこに座っている彼女たちは、すごく遠くにいる存在なんだなって思いました。でも遠くに見えるけど、ずっと近くにいるような気もしました。
エリザベス宮地さんがこの映画において、一番好きな言葉だったと語るチッチさんのあの言葉は、一体何を表していたのでしょうか?と考えた時に私は、これからのBiSHが目指すべき在り方なんじゃないかと思いました。
私がBiSHを知るずっと前、彼女たちはキャパ数十人のような小さな会場で地道にライブを積み重ねてきたわけです。近くにいればいるほど、人数が少なければ少ないほどに自分たちの思いは伝えやすくなりますし、観客の一体感は高まりやすいと思います。
しかし、BiSHというグループは、私のような新規ファンをどんどんと獲得しながら日本の音楽シーンにおいて重要な存在になりつつあります。そうなると必然的にライブ会場のキャパは膨張し、清掃員の数も数え切れないほどになっていきます。
アイナさんはトークショーの中で昔は会場を見回すと、全員顔と名前を知っている人たちばかりでしたが、今は会場を見ても名前も顔も知らない人たちが自分たちのことを応援してくれていると語っていました。またエリザベス宮地さんが印象的に用いていた横浜アリーナの最後列からのショットも効いていましたね。
つまりこれからのBiSHに求められるのは、「変わらないための変化」なんだと思います。最近インターネット上でBiSHはメジャーデビューして変わってしまったという意見をしばしば目にします。
彼女たちはこれから「遠くにいる自分たちを近くに見せる」ために力を尽くしていかなければならないんだと私は推察しています。かつて小さなキャパの会場で清掃員が共有した熱気を、横浜アリーナ、そしてそれよりももっと大きな会場になった時にも共有できるのかが試されているんだと思います。
これからBiSHというグループがどう変化していくのか?注目していきたいと思いました。
おわりに
まだまだ清掃員としての歴が浅い当ブログ管理人ですが、これからも精進していきたいと思います。
BiSHというグループにはまだまだ成長の余地が残されていますし、これからどんな風に変化していくのかを見守れるというだけでも感激です。
清掃員はもちろんですが、BiSHを知らないという方にもぜひぜひ見て欲しい素晴らしいドキュメンタリー映画になっていました。エリザベス宮地さんさすがです!!
今回も読んでくださった方ありがとうございました。