(C)2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
はじめに
みなさんこんにちは。ナガと申します。
今回はですね映画『アリータバトルエンジェル』についてお話していこうと思います。
この記事は作品のネタバレになるような内容を含む解説・考察記事となっております。
作品を未鑑賞の方はお気をつけください。
良かったら最後までお付き合いください。
『アリータバトルエンジェル』
あらすじ
空に浮く空中都市「ザレム」そこから落下する鉄くずを囲んで形成された「クズ鉄町」
サイボーグ専門医としてクズ鉄町で暮らしているイドは、ある日スクラップの中に胸部より上だけの少女を発見した。
その不思議な魅力に惹かれた彼は、その少女を診療所に持ち帰り、身体を取り付ける。
夜が明け、少女は目覚め、イドは彼女に「アリータ」という名前をつける。
アリータには、意識を失う前の記憶が残っていなかった。
そんな中でクズ鉄町に暮らすヒューゴという少年と出会い、「世界」を見せてくれる彼に次第に惹かれていく。
町では夜に女性が殺害される不気味な事件が頻発しており、アリータの身を案じたイドは彼女に夜間の外出禁止を命じた。
ある夜更けに、出かけていくイドの後をつけたアリータは、彼がハンターウォーリアーとして賞金首と戦っていることを知る。
しかし、イドはグリュシュカの罠にはめられてしまい、絶体絶命の危機に陥ってしまう。
その時、彼女の失われた「戦い」の記憶が蘇り、機甲術を駆使してアリータはグリュシュカたちを圧倒するのだった。
キャスト・スタッフ
- 原作:木城ゆきと
今作『アリータバトルエンジェル』の原作である『銃夢』を著したのは、木城ゆきと先生ですね。
1991年から95年まで集英社の「ビジネスジャンプ」という雑誌に掲載されていて、原作本は全9巻発売されております。
原作本の雰囲気は個人的には荒木先生の『ジョジョの奇妙な冒険』と手塚治虫先生の『火の鳥』をハイブリッドした感じなんじゃないかと勝手に思っております。
王道バトルアクション要素がありつつ、人間を巡る哲学的なテーマに思索を巡らせる構成となっており、非常に読み応えがあり、さらにはエンタメ性も高い仕上がりです。
当ブログにて、原作の魅力とざっくりとしたあらすじも纏めておりますので、良かったらそちらの記事も読んでみてください。
では、続いてスタッフの紹介です。
- 監督:ロバート・ロドリゲス
- 脚本:ジェームズ・キャメロン
- 製作:ジェームズ・キャメロン
そうなんですよ。日本の宣伝が非常に紛らわしいというか、もう「ジェームズ・キャメロンの映画」に仕立て上げたいという意図が見え見えなんですが、実際の監督はロバート・ロドリゲスです。
彼は『シンシティ』や『スパイキッズ』シリーズで知られる映画監督です。
特に『アリータバトルエンジェル』の見どころの1つでもあるモーターボールのシーンなんかはロバート・ロドリゲス監督ならではの良さが際立っていた印象です。
そして脚本が今回ジェームズ・キャメロン担当ということになるわけですね。
彼が脚本を務めたからなのか、『ターミネーター』『アバター』『タイタニック』などの作品を思わせるような舞台や設定、演出が登場したのは面白かったですね。
とにかくあの『銃夢』の世界観を最高の映像作品として仕上げてくれたことに、感謝したい思いでいっぱいですね。
最後にキャストの紹介です!
- ローサ・サラザール:アリータ
- クリストフ・ヴァルツ:イド
- ジェニファー・コネリー:チレン
- マハーシャラ・アリ:ベクター
- キーアン・ジョンソン:ヒューゴ
ちなみにCG加工なしのローサ・サラザールはこんな感じです!
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まあそうなんですが、おそらくあの大きな目は日本の漫画のアイコニックな要素なんだと思いますし、アリータの存在感を引き出すうえでも視覚的な「引き」になっていたと思います。
しかも、映画を見る前は目の大きさがすごく気になっていましたが、映画を見始めるとほとんど気にならなくなって、最終的には「アリータ可愛い」以外の感情はほとんど失われます(笑)
他にもクエンティン・タランティーノ監督の「イングロリアス・バスターズ」でアカデミー賞助演男優賞を獲得した、クリストフ・ヴァルツ、同じく『ムーンライト』にてアカデミー賞助演男優賞を獲得したなどマハーシャラ・アリが出演しています。
より詳しい作品情報を知りたい方は映画公式サイトへどうぞ!!
映画館で見るならIMAX3Dで!!
今作『アリータバトルエンジェル』はあの『アバター』のジェームズ・キャメロン製作の映画ですからね。
ということでチャンスがある方には、IMAX3Dでの鑑賞をオススメします。
というのもIMAX上映で鑑賞すると、画格が上下に26%広がるんです!!
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また、モーターボールのシーンやアリータとグリュシュカの戦闘シーンは3D効果が最大限に発揮されていて、見応え抜群です。
3Dで映画を鑑賞すると、どうしても映像が暗く見えるのがネックなんですが、『アリータバトルエンジェル』は全体的に3D鑑賞を意識して映像が明るめに作られています。
まさにIMAX3Dで見るために作られた映画といっても過言ではありません!!
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『アリータバトルエンジェル』解説
続編を意識しすぎた脚本
とりあえずこの映画の脚本は原作の『銃夢』を読んだ人には胸が熱くなる内容だったと思います。
あとはモーターボールのチャンピオンとして今回の映画では活躍の機会がありませんでしたが、ジャシュガンも登場していました。
このあたりのキャラクターが気になる方は当ブログの原作『銃夢』の記事もご参照ください。
ただこういった続編を意識したキャラクター配置が1本の映画として見た時に、明らかにノイズになっていることは言うまでもありません。
まあ、これできちんと続編を作ってくれるなら何の問題もありません。続編を見据えての伏線だったということにしておけば構わないわけです。
しかしですよ、映画には興行収入という非常に大切な指標があります。
『アリータバトルエンジェル』の北米でのオープニング興行収入は以下の通りです。
- オープニング興収:2700万ドル
- 予算:1.7億ドル
ロバート・ロドリゲス監督を初めとする本作の製作陣は『アリータバトルエンジェル』を当初3部作構想の1作目として製作していたそうです。
しかし、こんな興行成績では当然のように続編の企画が通るはずもありません。
この状況を見ていて、どうしても思い出してしまうのが『アメイジングスパイダーマン2』ですよ。
というのもアメコミ映画の中でも屈指の内容でありながら、その脚本があまりにも続編ありきすぎて、評価をつけづらい作品なんです。
しかも『アメイジングスパイダーマン2』も当初は続編を作る前提で制作していたんですが、結果的に興行収入面の問題で3作目が作られることなく終わってしまいました。
もはや『アリータバトルエンジェル』がこれと同じ道を辿ることは明白でしょう。
でもやっぱりノヴァ博士を登場させるというサプライズを敢行したのであれば、きちんと原作9巻全て消化しきれるように3部作で製作してほしいですよ。
ジェームズ・キャメロンは『アバター』の続編は作らなくていいから、『アリータ』の続編作ってくれよ!!(笑)」
しなやかで人間らしいVFX
20センチュリーフォックスがメイキングの一部を動画として公開しているので、良かったらご覧になって見てください。
『アリータバトルエンジェル』のVFXは1からCGで人物を造形し、動かすのではなく、実写で撮影した映像をベースにしてそこにVFXを組み合わせていくことで実現しています。
それゆえに主人公のアリータの表情であっても、どこか人間離れした印象を与えつつも(具体的には目のサイズ)、その根底にはきちんと「人間らしさ」が宿っているように感じられます。
またアクションシーンにしても、生身の人間の動きをベースにして構築することで、非常にしなやかで、なめらかな動きを実現しています。
この映像的な工夫は、アリータという人間とサイボーグの要素を兼ね備えたキャラクターを描く上でエフェクティブに機能したと言えるでしょう。
原作『銃夢』との違い
ではここからは原作『銃夢』と映画『アリータ バトルエンジェル』ではどう違っているのかについて解説も交えて触れていきたいと思います。
なぜアリータという名前に?
さて主人公の少女の名前なんですが、実は原作と映画で異なっています。
- 原作:ガリィ
- 映画:アリータ
ただ、この「アリータ」という名前に改変してあるからこそ、この映画版のスタッフは『銃夢』への愛をきちんと持っているんだと確信することができました。
その理由を確認するには、原作第9巻を読む必要があります。
原作9巻で映画版にも少しだけ登場していたノヴァがガリィと対峙した際に、彼女を「対自核夢(ウロボロス)」という夢の世界に閉じ込めてしまう一幕があります。
この夢の中でスクラップの中から彼女を拾い上げるのがノヴァになっていて、彼がつける名前が「アリータ」なんです。
つまり、ロバート・ロドリゲス監督が贈るこのハリウッド実写版映画がこの「アリータ」という名前を採用したのは、彼らのこの映画に対する姿勢の表出なんだと考えています。
自分たちが作るのは『銃夢』そのままの実写版ではなく、彼らが「対自核夢(ウロボロス)」の中で見た『銃夢』の1つの可能性なんだと言わんばかりです。
そういう形で、原作と向き合おうとしたのだということが、この主人公の名前1つとっても透けて見えるような気がしました。
イドに妻と娘がいたという設定
イドというメインキャラクターの設定はかなり改変してきていましたね。
とりわけ彼に妻と娘がいたという設定は原作『銃夢』には無かった要素が付け加えられています。
これを考えた時に、昨年末の『シュガーラッシュオンライン』の主題と近似なものを『アリータ バトルエンジェル』に感じることができます。
つまりハリウッド実写版としてはイドというキャラクターの「子離れ」を描こうとしたのではないかと考えております。
原作のイドはめちゃくちゃ嫉妬深いですし、メンヘラチックにガリィ(アリータ)のことを愛しています。
- 最強の賞金首マカクがガリィを倒そうとするのは、「恋心」故なのではないかと妄想する。
- ガリィがモーターボールに出場しているのを知ると、彼女の敵に肩入れし、そのプライドをズタズタにして自分のところに帰ってくるように仕向ようとする。
ただ映画版は、そこにイドの「子離れ」の物語を絡めてきたがゆえに、彼が自らアリータをモーターボールに送り込むというシーンが効果的に機能しています。
そもそも彼が「アリータ」という名前をつけたのは、亡くなった自分の娘の「代替品」「投影」でしかなかったからです。
だからこそ手放したくないし、戦わせたくない、それでいて自分の下に置いておきたいんですよ。
しかし、彼女には彼女の生き方があるし、彼女の望む未来があります。
イドはそれを打ち砕かれた娘の(ための)サイボーグ身体と共に、何とか払拭し、ようやくアリータを自分の娘としてではなく、家族であり、それでいて自立した1人の女性なんだと捉えられるようになります。
序盤のサイボーグ体が「少女」的であったのに対して、バーサーカーボディが「女性」的な装いになっているのもこの主題性への寄与だと考えられます。
そして彼は自分の娘を殺すことになったモーターボールにアリータを自ら送り込むという行為を通じて「子離れ」を達成します。
イドの設定やキャラクタ―性は改変こそされていますが、きちんと明確な意図があるものですし、それが物語をより味わい深くしているという印象を受けました。
ヒューゴとユーゴ
これだけは言えます。
原作のユーゴって本当に泥臭くて、それでいて危ういキャラクターなんですよ。
「ザレム」に行くためだったら、どんな汚いことでもやってのけると言わんばかりに悪行に手を染めていますし、ガリィ(アリータ)を気にかけるような包容力があるタイプでもありません。
当ブログ管理人は原作のユーゴは「売れないバンドマン」「将来有望なヒモ候補」だと思っております(笑)
そんな「夢」を語る危うい男であるユーゴにガリィ(アリータ)がどんどんと惹かれていき、自分の犠牲にしてでも救おうとするので、我々はある種の親目線で彼女の身を案じてしまうんですね。
一方で、映画版のヒューゴは基本的には原作を踏襲してはいますが、かなりスマートで、それでいて原作の様な「危うさ」を感じさせません。
また「ザレム」に徹底的に固執するような描写も減っていて、最後には「ザレム」に行くことを断念して、アリータと共に生きる道を選ぼうとします。
彼の描写は原作とはかなり印象が違うので、賛否あると思いますが、個人的には彼がアリータをバイクの後ろに乗せて、町を走るシーンが最高だったのでOKです(笑)
ユーゴの物語を読みたいという方は原作の第2巻と第3巻をチェックすると良いでしょう。
ぜひぜひその違いも体感してみてください。
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原作への愛を感じる細かい演出やセリフの再現
ロバート・ロドリゲス監督や脚本を担当したジェームズ・キャメロンは本当に『銃夢』の原作を深く読み込んで、そしてそれを映像に落とし込んだのだということが個人的には強く伝わってきました。
それくらいに細かいところまで原作へのリスペクトを込めて描いているということが伺えます。
もう挙げていくとキリがないんですが、個人的に上がった原作の再現ポイントを3つほど挙げていこうと思います。
ヒューゴとアリータの出会い
ここは原作のシチュエーションとセリフを再現してくれたことに感動しました。
『銃夢』第2巻より引用
ヒューゴが最初にアリータに出会った時に、倒れた彼女を起き上がらせようとしましたよね。
この時に彼は「重いな。」という旨のセリフを吐いているんです。
これが原作の一コマの再現であることは言うまでもありません。
また原作では、「重い」と言われて、ガリィ(アリータ)が恥じらう描写があるんですが、そこも含めて映画版はきちんと映像に落とし込んでいました。
ボーイミーツガールの重要なシーンをきちんと原作のシチュエーションとセリフのままで映像にしてくれたことには、感謝の思いしかありません。
アリータVSグリュシュカ
映画『アリータ バトルエンジェル』の最大の見せ場の1つにアリータとグリュシュカの戦闘シーンが挙げられると思います。
特に感激だったのが、アリータがグリュシュカに胴体を粉砕されながらも、片手で地面に立つシーンです。
これは原作でも全く同じシーンがあります。
『銃夢』第1巻より引用
圧倒的な映像でガリィ(アリータ)の戦闘シーンが見られたということだけでも本当に感動したんですが、それ以上に1コマ単位で戦闘シーンを細かく再現してくれたことに涙が止まりません。
ヒューゴの仲間の殺され方
もうスタッフ陣はどこまで原作を細かく読んでくれてんだよ・・・と。
ユーゴ(映画版ではヒューゴ)の悪事がハンターウォーリアーのザパンに露見して窮地に陥るという展開そのものは原作同様です。
そして追い詰められた際に彼の仲間の1人がザパンによって殺害されるんですが、その殺され方に注目してみましょう。
『銃夢』第2巻より引用
ザパンがダマスカスブレードを投げて、胴体が断裂するという最期は原作の完全再現です。
他にももちろん多くの原作のコマやセリフを再現した個所はありますが、こんなに細かいディテールまで再現しようという心意気にはただただ感激でした。
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『アリータ バトルエンジェル』考察
「バトルエンジェル」たる意味の欠如
映画『アリータバトルエンジェル』はここまで述べてきたように、原作への愛とリスペクトを持って作られた素晴らしい作品です。
ただどうしても疑問に感じるというか、物足りなさを感じてしまうのはヴィランの描写です。
『銃夢』のヴィランの特徴は個人的に、大きく分けると以下の2つだと思っています。
- 弱さを抱えた人間である。
- ガリィ(アリータ)に「救済」を求めている。
映画版はその点で明らかにヴィランの書き込みが弱いですし、特にグリュシュカに関しては原作のマカクに当たるキャラクターであるわけですからもっと魅力的に描いて欲しかったです。
原作のマカクについては当ブログの『銃夢』記事でも触れておりますので、良かったら。
マカクというキャラクターは上記記事でも触れましたが、「母親のいない子供」であり、ある種のフランケンシュタインなんですね。
そして下水道で誰からも認められることなく育ったことで、ひたすたに愛に飢え、誰かから認識されたくてされたくてどうしようもない人間になってしまいました。
だからこそ他のハンターウォーリアーも目を背ける中で、自分と対等に向き合おうとしてくれるガリィ(アリータ)に「救い」を求めるようになります。
単純な悪としては絶対に描かないし、その根底には「弱さ」があって、そしてそれ故に圧倒的な強さを有するガリィ(アリータ)に「救い」を求めてしまうんです。
これが「ガリィ(アリータ)=バトルエンジェル」である最大の理由でもあります。
『銃夢』第2巻より引用
そう考えてみると、映画『アリータ バトルエンジェル』はヴィランを魅力的に描けていませんし、アリータがバトルエンジェルたる所以も説明しきれていません。
原作のマカクに当たるグリュシュカは単なる敵キャラクターの1人としてしか登場しませんし、あまり掘り下げられることもありません。
いわゆる「よくあるブロックバスター映画の敵キャラ」の1人に成り下がってしまいました。
ここが描けてこその『銃夢』の実写版なんだと個人的には思っているので、個人的には残念でした。
アリータの恋愛物語を主軸に据えた意味
原作は連載漫画なので、エピソードがある程度ぶつ切りになっています。
- 第1巻:イドとアリータの出会い+VSマカク編
- 第2巻:ユーゴ編
- 第3巻:モーターボール編①
- 第4巻:モーターボール編②
とりわけ今回の映画版で描かれたのは、原作3巻あたりまでの内容が中心です。
そして1本の映画としてそのぶつ切りの縦軸的な構成に、きちんと横軸の流れを追加して、物語の流れを創り出した点は流石ジェームズ・キャメロンといったところでしょうか。
その中でとりわけ本作の物語の主軸に据えられたのは、アリータとヒューゴの恋愛物語でした。
なぜ2人の物語を中心にして、物語を再構築したんだろうかと考えてみましたが、アリータを「人間らしく」描くという点にスタッフ陣はこだわったのではないでしょうか。
ヒューゴが彼女のことを評して「他のどんな人間よりも人間らしい」と言っていましたが、本作は彼女を非常に生き生きと人間らしく描くことに成功しています。
そして自分がサイボーグであるということに一抹の負い目を感じながらも、一途にヒューゴを想い続ける純真な少女です。
ここを強調して描いたからこそアリータというサイボーグの少女が、好きな男の子のために迷う「等身大の人間」という印象を与えるられるように設計されていました。
また、ヒューゴを守るためにアリータ自身も「弱さ」を露見させ、そして罪を背負うという描写が本作を彼女のビギンズ映画として引き立たせていることは言うまでもありません。
確かにアリータは機甲術に裏打ちされた圧倒的な戦闘力を持っています。その力は言うまでもなく人間離れしています。
それでもこの映画は、彼女も私たちと同じように人を愛し、涙を流し、過ちを犯す人間なのだということをヒューゴとの関わりの中で描き出しました。
完全無欠のヒーローではなく、弱さとカルマ(業)を背負って、それでも立ち続けるアリータというヒーローの誕生を『アリータ バトルエンジェル』は描こうとしたのではないでしょうか?
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おわりに
いかがだったでしょうか?
今回は映画『アリータバトルエンジェル』についてお話してきました。
ディテールまで細かく原作へのリスペクトを感じられる描写やセリフを採用していて、本当にコミックがそのまま映像になったという印象すら受けました。
そして映画版は、興行的な問題で続編がかなり望み薄になってしまったので、ノヴァの正体が気になるぞ…という方は原作の『銃夢』を読んでみてください。
今回も読んでくださった方ありがとうございました。