(C)2019 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
目次
はじめに
みなさんこんにちは。ナガと申します。
今回はですね映画『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』についてお話していこうと思います。
本記事は作品のネタバレになるような内容を含む感想・解説記事となっております。
作品を未鑑賞の方はお気をつけください。
良かったら最後までお付き合いくださいませ。
『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』
あらすじ
シンガポールのショッピングモールであるマリーナベイ・サンズでシェリリン・タンという女性弁護士が殺害され、それに伴って彼女の車が爆発するという事件が起こった。
彼女は著名な犯罪行動心理学者であるレオン・ローの顧問弁護士であり、殺害現場には彼もいた。しかし、彼女はエレベーターの中で殺害されたということであり、彼にはアリバイがあった。
さらに殺害現場となったエレベーターには、怪盗キッドの血塗られた予告状が残されていたのだった。
時を同じくして、日本では毛利蘭と鈴木園子が、京極真が参加する空手大会を見に行くためにシンガポールを訪れる計画を立てていました。
ようやく恋人関係になった蘭と新一。蘭は彼にもシンガポールに来てほしいと考えていたが、コナンは薬の力がないと新一の姿になることができないため同行するのは難しかった。
そんな時、夜道でコナンはふと自分の後をつけてくる蘭に気づく。しかしその刹那、コナンは意識を失ってしまい、気がつくと何かのケースのようなところに閉じ込められていた。
持っていたペンを使いそこから脱出してみると、彼はトランクケースに閉じ込められてシンガポールへとやって来ていたのだった。
彼をシンガポールに連れてきたのはキッドであり、彼はシンガポールに隠された伝説の宝石ブルーサファイアを手に入れようと画策していた。
しかし、シンガポールに渦巻くどす黒い陰謀は、キッドを罠に陥れようとしていたのだった・・・。
スタッフ・キャスト
- 監督:永岡智佳
- 原作:青山剛昌
- 脚本:大倉崇裕
- キャラクターデザイン:須藤昌朋
- 総作画監督:須藤昌朋
監督を務めた永岡智佳さんは、1983年生まれで、コナン映画の監督としてはおそらく最年少になるのではないでしょうか?
それでいて女性の映画監督ということで、これもコナン映画史上初ということになります。
『名探偵コナン 絶海の探偵』の時に、演出として参加し、その後も毎年のように劇場版ないしテレビシリーズの演出として作品に携わり、『名探偵コナン から紅の恋歌』で初めて助監督に抜擢されました。
そして今年の『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』で初めて監督に抜擢されたということになります。
今回の映画は後程書いていきますが、『うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレジェンドスター』なんかにも参加してきた永岡智佳さんらしいキャラクター描写になっていたと思います。
脚本を担当したのは、こちらも『名探偵コナン から紅の恋歌』で初めてシリーズの脚本を担当した大倉崇裕さんとなっています。
警察小説やミステリ小説の作家としても知られている方なんですが・・・。
- 高山みなみ:江戸川コナン
- 山崎和佳奈:毛利蘭
- 小山力也:毛利小五郎
- 山口勝平:怪盗キッド
- 檜山修之:京極 真
- 山崎育三郎:レオン・ロー
- 河北麻友子:レイチェル・チェオング
- 梶裕貴:リシ・ラマナサン
今作のキーとなる怪盗キッドと京極 真をそれぞれ山口勝平さんと檜山修之さんが演じています。
そして今回シンガポールにて暗躍する犯罪心理学者の役をミュージカル俳優として知られる山崎育三郎さんが演じています。
と言いますか、この映画、英語と日本語の混じり具合が荒すぎる上に、日本人キャストが担当しているキャラクターの英語が根こそぎカタカナチックなので、そこで笑ってしまいました。
そしてもう1人シンガポールの予備警察官として登場するリシ・ラマナサン役に梶裕貴さんが起用されています。
こちらもまだまだ予備警察官の立場でありながら、捜査に精を出す精悍な若者を見事に演じ切っておられました。
タレント声優と本職の声優が合わさりつつも、英語の発音の・・・具合を除いては全体的に良質なボイスアクトに仕上がっていた印象です。
動員・興行収入情報
ここ数年動員・興行収入が右肩上がりを続けている『名探偵コナン』シリーズ。
- 「11人目のストライカ―」→32.9億円
- 「絶海の探偵」→36.3億円
- 「異次元の狙撃手」→41.1億円
- 「業火の向日葵」→44.7億円
- 「純黒の悪夢」→63.1億円
- 「から紅の恋歌」→68.9億円
- 「ゼロの執行人」→91.8億円
やはり昨年の『名探偵コナン ゼロの執行人』の成績が飛びぬけていますよね!
ちなみに初動の数値を見ていくと、公開週の土日で12億9600万円を記録し、公開初日の金曜日に3億7500万円を稼ぎ出しています。
そして、今年の『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』についてですが、特筆すべき点はTOHOシネマズ系列以外での上映が大幅に拡大され、座席数が昨年と比較しても格段に増えている点です。
そんな具合になっているため、初動の数値はおそらく昨年の『名探偵コナン ゼロの執行人』を上回ってくるのではないかと思います。
まず、4月12日に興行収入4億2246万5000円、動員31万3724人を記録し、前作を上回る成績を残しました。
そして土曜日は前作を若干下回る動員となっています。一方で日曜日は14日のTOHOシネマズデーのこともありますので、動員としては大幅に前作を上回ることが予想されます。
こういった事情を鑑みると、初動の動員としては前作とほとんど同等~微増くらいになってくるのではと思います。金曜日も含めた3日間であれば、間違いなく前作比で大きく上回ってくることでしょう。
昨年は安室という人気キャラクターの登場、超ロングラン、劇場版『コードブルー』への対抗意識、応援上映や4D上映での上乗せ等々かなりいろいろな条件が重なっての過去最高成績でした。
そう考えると、今年は座席数こそ増えてはいますが、最終的な成績では昨年の数字には届かないのではないかと思います。
土日2日間の数値で見ると、約114万5000人を動員しており、興行収入は約14億6400万円となっております。
昨年の「ゼロの執行人」を例外として、基本的にコナン映画は初動の数値の5倍付近が最終成績になるというセオリーがあるので、初動が出てくるとある程度最終着地地点も見えてきます。
今年は初週にかなり座席数を増やしているので、例年にも増して初動寄りな推移になることが予測されますね。
そうなると、やはり現実的なのは70~80億円付近ということにはなるでしょう。
今年の4月5月はライバル作品が多いものの、10連休があったりと興行的にポジティブな側面もあるので、興行収入が伸びてくる可能性も孕んでいると言えます。
最終的にどれくらいの成績になるのか?非常に楽しみなところです。
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『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』感想・解説(ネタバレあり)
女性監督の永岡智佳らしいキャラクター映画
基本的に『名探偵コナン』の劇場版シリーズってミステリ的な側面がメインの時と、キャラクター映画としての側面がメインの時とのコントラストがかなり明確です。
例えば、昨年公開した『名探偵コナン ゼロの執行人』なんかは当初安室さんのキャラクター映画かと思われていましたが、『相棒』シリーズの脚本家が起用されるなどし、かなりミステリ志向の内容になっていました。
一方で一昨年の永岡さんが副監督として参加していた『名探偵コナン から紅の恋歌』を見てみると、平次と和葉のキャラクター映画の側面が強かった印象です。
さらに一昨年に戻り、『名探偵コナン 純黒の悪夢』もミステリというよりは、黒の組織や安室さん・赤井さんといったキャラクター描写にフォーカスしたキャラクター映画の側面が強かったです。
今回の映画に関しては、ミステリー要素は正直に申し上げて、作品の10%程度のウエイトしか占めていないと思っています。
- 基本的には、犯人の1人が冒頭で判明している古畑任三郎方式になっている。
- もう1人の真犯人の伏線の張り方が露骨すぎて、ほとんど誰でも展開が読めてしまう。
- 緻密な推理で犯人を追い詰めるというよりは爆発や格闘シーンの方に力が注がれている。
その一方で、キャラクターの魅力という観点で見ると、すごく成功している映画だと思っています。
例えば、『名探偵コナン』シリーズってラブコメ要素が絡んでくることもしばしばなのですが、今作は特にラブコメ濃度が濃く、それでいて女性監督である故か。いつも以上に蘭と園子の魅力が際立っていました。
2人とも「ツンデレ」の気がある女性キャラクターですが、好きな男性を前にして思わず好意的な態度や照れ隠しのような行動をしてしまうなど、何気ない仕草が丁寧に描かれています。
そしてもっと踏み込んでいうなれば、男性が女性に投影する理想としての「デレ」ではなく、女性が自ら無意識のうちに出してしまうような自然な「デレ」の描き方が成されていて、そこも素晴らしかったですね。
一方で、男性キャラクターの描き方については、『うたの☆プリンスさまっ♪』に参加された経験もある永岡監督の理想の投影が見られる内容になっていたと言えるでしょうか。
例えば、今回の『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』については、冒頭から基本的にはキッドがコナンをシンガポールに連れてきたわけですから、彼の方に主導権があります。
その中で、キッドがコナンに、自分の力がないと国にも帰れない身なんだから大人しく自分に従うようにと唆していました。
ただ、物語の中盤にそんな2人の力関係が逆転したかに見えるシーンがあって、それがキッドが負傷してビルの屋上で手当てをしている時にコナンが現れるシーンですね。
このシーンは、キッドが銃で撃たれたことで弱っていて、コナンが「完全にハメられたな・・・。」と少し主導権を握る形で話しかけていて、まさに「攻め」と「受け」が入れ替えるかのようでした。
あとはやっぱり京極さんのミサンガのくだりは、男性の自分でもゾクッとするくらいの演出でしたね。
正直に申し上げると、いくらレオン・ローが犯罪心理学者で、京極を心理的に追い詰めることが可能な可能性はあるとはいえ、伏線の張り方が雑すぎましたが、どうしてもあの演出をやりたかったのだとしたら納得です。
この監督、男性が女性にグッとくる瞬間をきちんと分かってるな!!と思ったのが、終盤にマリーナベイ・サンズが爆破され、崩壊した後に京極さんと園子の絆創膏のくだりのところです。
ここの何が良かったのかというと、園子のカチューシャが外れて前髪を下ろした仕様になっているんです。
園子って基本的にボーイッシュで、サバサバとした印象を与える女性キャラクターで、「可愛い」を売りにしているタイプのキャラクターでは、どちらかというとないと思います。
そんな彼女を、物語の最後の最後に前髪を下した出で立ちで登場させることで、観客は思わずそのギャップに魅力を感じてしまうんですよ。
まずは、普段のボーイッシュな出で立ちから!!
(C)かきふらい・芳文社/桜高軽音部
確かに上記の髪型だと、ボーイッシュな印象が強くて、「可愛い」というイメージにはなりにくいところがありますよね。
一方で、前髪を下した時の律を見ていきましょう!!
(C)かきふらい・芳文社/桜高軽音部
そして『けいおん』を製作した京都アニメーションって女性アニメクリエイターが多いことでも有名なんです。
露骨であざとい描写ではなく、こういう微妙な変化で、女性らしい魅力を観客に訴えかけてくるあたりが女性である永岡智佳監督らしさの1つでもあるように感じました。
『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』はキャラクター映画としては大成功に分類される作品だと思いました。
もはやミステリというよりバトルアニメだ
ここまでも書いてきましたが、今回の『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』は正直探偵モノとして見たら負けみたいな映画です(笑)
というのも基本的に犯人が分かり切っているので、それを探る面白さはありませんし、トリック自体も力技みたいな部分が大きくてあまり驚かされることもありません。
今作の舞台が海外で、しかもシンガポールのマリーナベイ・サンズだったということで、ド派手に爆発させて、ぶっ壊しまくっていて『トランスフォーマー』シリーズのマイケル・ベイ監督もびっくりの演出でした。
しかも映画の前には、シンガポールの観光CMが流れ、エンドロールではマリーナベイ・サンズの美しい夜景映像が流れるのが、これまた面白いんですよ。
この映画を見て、あのホテルに泊まりたいと思う人がどれくらいいるのやら・・・(笑)
また、今回は京極さんがメインの映画になっているということもあり、アクションシーンがかなり多く、作品のウエイト的には30%~40%ほどを占めていると思います。
(C)2019 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
他にも終盤の彼の覚醒シーンもスーパーサイヤ人に覚醒するかのような演出でしたし、本当に途中からは、ただのバトルアニメと化していましたね。
なぜ、ミステリ作家の大倉崇裕さんが脚本に入っているのに、作品の方向性はそれとは真逆の方向に向かっているのかはいろいろと謎が残ります。
コナン映画シリーズは基本的に爆発シーンが主食で、ミステリは副菜的な位置づけではあるのですが、やはり昨年の『名探偵コナン ゼロの執行人』の出来が素晴らしかっただけに今年の内容は見劣りしてしまいますね。
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ラストでキッドはなぜブルーサファイアを盗まなかったの?
なぜ怪盗キッドはブルーサファイア(紺青の拳)を盗まなかったんだろうかと疑問に思っていらっしゃる方がもしかするといらっしゃるかもしれません。
これについては、彼が何の目的で怪盗として活動しているのかを知っておく必要があります。
そもそも彼の両親が怪盗として活動していたんですが、彼の父親で、初代怪盗キッドでもある黒羽盗一が何者かによって殺害されてしまうんですね。
そして盗一は宝石泥棒として活動していて、それが殺害されたことに関係しているのではないかということに気がつき、父の死の真相を探るために「怪盗キッド」の名前を継いで活動するようになったわけです。
伝説の宝石を手に入れ、そしてその宝石を同じく探し求めている自分の父親を殺したであろう組織に近づくために、キッドは宝石泥棒を続けています。
それ故に、彼が求めている宝石はビッグ・ジュエルただ1つであり、それ以外の宝石には興味がなく、それ以外のものは捨てたり。返したりしているんですね。
こういう経緯があるからこそ、キッドは本作のラストにおいてもブルーサファイアを盗み出すことはせず、レオン・ローに返却したのだと思います。
ただ、『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』におけるブルーサファイアは1つのメタファーとして機能している側面があると思います。
実は「青」という色には手を伸ばしても届かないものという意味合いがあるのです。
このロマン派を代表する小説において、青という色は「どんなに手を伸ばしても手に入らないものの表象」として登場していると考えられています。
「青」とは永遠の憧れであり、決して手に入れることは叶いません。
いくら追い求めても幻想の産物の範疇を出ることはありません。
マークウェブ監督の映画『(500)日のサマー』においても、主人公がどんなに好意を寄せていても、手に入れることができないサマーという女性を青色のモチーフと共に描いていました。
(C)2009 TWENTIETH CENTURY FOX
ヒロインのサマー演じる女優ズーイ・デシャネルが青色であったこともしばしば指摘されています。
その一方で、劇中で描写される彼女の部屋には青を想起させる絵画(セザンヌの「青い花瓶」)が飾られていたりするんですよ。
今回の映画『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』において「青」を象徴するブルーサファイアを巡って対照的に描かれていたのは、間違いなくレオン・ローと京極さんでしょう。
レオン・ローはブルーサファイアを手に入れることで、海賊を操り、そして自分の思い描く破壊とそして創成によるシンガポールの未来という青写真を実現しようとしていました。
しかし、結果的にその野望は阻止されてしまい、実現できずに終わってしまいました。
その一方で、京極さんは自らの力をより高めるために、当初は優勝すればブルーサファイアを獲得することができる空手のシンガポール大会に参加していました。
ただ、彼の場合は自身の力への迷いもありましたが、大会を途中棄権し、車に轢かれた園子のそばにいることを優先します。
つまり「青」が象徴する、「どんなに手を伸ばしても手に入らないもの」(彼の場合は圧倒的な強さ)を手に入れる道を一度断念するんですね。
彼は自分自身と向き合い、そして園子を守りたいという思いから、自らの内側に秘められていた真の力を最後の最後で解放します。
だからこそ私はキッドが最後にレオン・ローにブルーサファイアを返したのは、1つの作品としてもメッセージなのだと思いました。
手に入らないものに固執し、今自分の周りにあるものや居る人を蔑ろにするのではなく、今自分が本当に大切にしなければならないものと向き合うことこそ大切なのだと。
「青」色はしばしば「若さ」や「未熟さ」を象徴する色でもあると言われます。
そう考えると、あのシーンは京極という青年が、「若さ」や「未熟さ」から脱却したことと、そして対照的にレオン・ローにそこから抜け出せていないことを突きつけているようにも感じられます。
そもそも新一と蘭はいつから交際しているのか?
原作ないしアニメで2人が付き合い始めたことはネットニュースになるほどに話題になりました。
ただ原作やテレビアニメを見ていない人間からすると、劇中のキッドのように「お前らいつから付き合ってんだよ!」と反応をしてしまうのも当然でしょう。
- 名探偵コナン ホームズの黙示録
- 名探偵コナン 紅の修学旅行
まず、名探偵コナン ホームズの黙示録のエピソードですが、この時は舞台がロンドンでした。
ロンドンで、蘭と新一が再開するんですが、彼女の方は怒り心頭で、「探偵なら、私の心くらい理解しなさいよ!」という言葉を吐き、泣き出してしまいます。
そんな彼女に新一は、「たとえオレがホームズでも解くのは無理だろーぜ!好きな女の心を・・・正確に読み取るなんて事はな!」という愛の告白をするんです!!
ただ、その時は蘭も返事をすることなく、後日園子たちに唆されて、電話で返事をしようとするんですが、肝心の返事はできずじまいでこのエピソードは幕切れてしまっていました。
そして名探偵コナン 紅の修学旅行のエピソードで2人の関係性は大きく変化していくこととなります。
今回の映画『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』の序盤にコナンが灰原に「薬を処方してくれ」と懇願しているシーンがありましたよね。
実は修学旅行の際に、コナンはその薬を使って新一の姿に戻り、参加し、ようやく蘭と再会することができたんです。
事件を解決した後、清水寺にて、新一は「ロンドンでオレが告った事忘れてんじゃ…」と照れながら、告げると、蘭は彼の頬にキスをします。
ただ、その後薬の効果が切れてしまい、キスをする直前に新一は去ってしまいます。
新一は急に消えたことを詫びつつ、告白の返事が聞けて嬉しかったことを蘭に伝えます。
これを読んだ蘭は頬を赤くして照れ、そして「わたし達付き合ってるって事でいいんだよね?」と返信しました。
それに対して新一は「付き合ってるに決まってるだろ?」と返信し、2人は晴れて両思いのカップルになりました。
まあとりあえず今回の映画版に至るまでの2人の関係性についてざっくりとまとめました。
今回の映画を見る前、または見た後にでも上記の2つのエピソードを見ておくと良いと思います。
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園子と京極の出会いとキッドとの関係
さて、今回の劇場版では、もう1組園子と京極の関係性にスポットが当たっています。
この2人が出会ったのは第153~154話の「園子のアブない夏物語」でした。
この回で、海の家を訪れた園子たちに生ビールを運んできた無骨な店員が京極さんでした。
そこに園子に好意を寄せるナンパ男が現れるのですが、後々その男が凶悪犯であるということが判明します。
その男に、園子が襲われそうになった際に、腕にナイフが刺さり、出血しながらも彼女を守りました。
その後以下のセリフを告げ、彼女に告白しました。
必要以上に男を挑発するその下着の様な格好もできればやめるのを勧めたい。もちろんあなたに好意を寄せる幾多の男の内の一人の戯言として、聞き流していただいても構いませんが…
(名探偵コナン第153~154話の「園子のアブない夏物語」より引用)
これがきっかけとなり、2人は後に交際をスタートさせることとなるのです。
その後、とある勘違い騒動を経て、正式な交際へと発展していくこととなります。
- 第217~218話「封印された目暮の秘密」:文通を続けていた2人。園子は京極への手紙に「好きな人に手編みのセーターを編んでいる」と書き、それを見た京極は彼女には別に意中の男性がいると勘違いする。
- 第228~229話「殺意の陶芸教室」:好きな相手に「湯吞み」をプレゼントすることにした園子、そして陶芸教室で作成したものを京極に送りますが、彼はそれを花瓶と間違え、花を生けてしまいました。
そうです。第266~268話「バレンタインの真実」にて京極は、園子が別の意中の男性にチョコレートや湯吞み、手編みのセーターを送ろうとしていると勘違いした状態で登場します。
そしてその男性を品定めするんだと言い張るのですが、ここで園子は自分が好意を寄せているのが京極であると明かし、おそらくここで2人の正式な交際スタートとなります。
その後印象的なエピソードと言えば、第457~458話「園子の赤いハンカチ」になりますかね。
大会を抜け出して、彼女を助けるために駆け付けた京極が数十人のヤンキーをなぎ倒すというトンデモエピソードとなっております。
園子は、イケメン好きでして、それ故に怪盗キッドの大ファンなんですね。
そのため京極と交際をスタートさせた後も2人が自分を取り合う妄想をして楽しんだりしているわけです。
そして京極と怪盗キッドが相まみえるのが、第746~747話「怪盗キッドVS京極真」ということになります。
この時のエピソードで、園子は、自分に変装したキッドを京極が偽物だと見破れるかどうかという賭けをしていました。
まあ結果的に彼は見破ることに成功するのですが、このエピソードくらいから京極さんはサイヤ人と化していて、とんでもない身体能力を披露していました。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は映画『名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)』についてお話してきました。
確かに探偵モノ、ミステリとしては明らかに昨年に見劣りする内容ではあるのですが、女性監督らしい視点で演出されたキャラクター映画としては良質で、見応えがあったように思います。
特に当ブログ管理人は基本的にはヒロインの中では、和葉派なのですが、今回の映画を見て、園子にグラッとなりました(笑)
『名探偵コナン』シリーズが大好きな人は、満足できる内容になっていると思います。
今回も読んでくださった方、ありがとうございました。
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