みなさんこんにちは。ナガと申します。
今回はですね映画『メン イン ブラック インターナショナル』についてお話していこうと思います。
本記事は作品のネタバレになるような内容を含む感想・解説記事となっております。
いよいよ公開となってMIB最新作について余すところなく語っていきたいと思います。
作品を未鑑賞の方はお気をつけください。
良かったら最後までお付き合いください。
目次
『メン イン ブラック インターナショナル』
© 2019 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.
あらすじ
エージェントHとハイTは、ハイヴという凶悪な宇宙生物の地球襲来に際して戦いを挑み、地球を救った。
それから数年後、幼少の頃エイリアンを目撃し、それ以来MIBの存在に憧れを抱いていたモリーは自力で調査を続け、MIBのアジトへと辿り着く。
アジトへと潜入する彼女でしたが、当然の如くセキュリティに捕らえられてしまいます。
そこにエージェントOが現れ、侵入者の彼女の記憶を消そうとしますが、彼女の能力を買い、Mの名前を与え、見習いエージェントとして活動させることにします。
最初の任務はMIBロンドンでの調査で、彼女はそこのエースエージェントでもあったHに取り入り、任務に同行する。
要人警護の任務だったが、突然そこにハイヴからの刺客と思われる敵が現れ、要人は暗殺されてしまう。
要人は死を前にして、信用できるとしてエージェントMに「未知の兵器」を託す。
その「未知の兵器」とは青色恒星を閉じ込めた強力な平気であり、惑星1つを粉々に破壊するほどの威力を持っていた。
2人は要人暗殺の犯人を追ってマラケシュへと向かうが、同時に兵器を手に入れたことを突き止めたMIBにも追われることとなった。
MIBに一体何が起こっているのか!?
スタッフ・キャスト
- 監督:F・ゲイリー・グレイ
- 脚本:アート・マーカム&マット・ホロウェイ
- 製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ
- 撮影:スチュアート・ドライバーグ
- 美術:チャールズ・ウッド
- 衣装:ペニー・ローズ
- 編集:クリスチャン・ワグナー&ゼン・ベイカー
監督を務めたのはF・ゲイリー・グレイですね。
『ミニミニ大作戦』『ストレイトアウタコンプトン』などのとりわけ黒人文化圏にフォカースしたような作品を多く手掛けてきた監督です。
また『ワイルドスピード アイスブレイク』では、シリーズ第7作が最高傑作だったため、その直後ということもあり非常に難しいタスクでしたが、非常に巧く仕上げてきました。
しかし、今回の『メン イン ブラック インターナショナル』は本当にひどいです(笑)
本当にF・ゲイリー・グレイ監督が撮ったのか?というくらいにこれまでの作品にあった彼の良さが全くと言っていいほど出ていません。
脚本を手掛けたアート・マーカム&マット・ホロウェイコンビは『アイアンマン』の脚本を担当したことでも知られます。
それを聞くと、今作の脚本が壊滅的に酷いことにも何となく合点がいきますよね。
撮影には、VFX撮影に強いスチュアート・ドライバーグが、美術にはMCU御用達のチャールズ・ウッドが、編集には『マイティソー バトルロイヤル』で主演2人を知るゼン・ベイカーが参加しています。
- クリス・ヘムズワース:エージェントH(ヘンリー)
- テッサ・トンプソン:エージェントM(モリー)
- リーアム・ニーソン:ハイT
- エマ・トンプソン:エージェントO
- レベッカ・ファーガソン:リザ
まず、メインキャストの2人は『マイティソー バトルロイヤル』のソーとヴァルキリーですよ。
MCUでのこの2人の掛け合いが個人的にはすごく好きだったので、今回の『メン イン ブラック インターナショナル』にはかなり期待しておりました。
ハイTを演じるのは、『96時間』シリーズなどでもおなじみのリーアム・ニーソンですね。
またエージェントO役には『メン・イン・ブラック3』にも同役で出演していたエマ・トンプソンが再登場しました。
また『ミッションインポッシブル』シリーズなどでも知られるレベッカ・ファーガソンがエージェントHの元恋人のエイリアンであるリザとしてとうじょうするなど非常に豪華な顔ぶれとなっています。
より詳しい作品情報を知りたいという方は映画公式サイトへどうぞ!!
『メン イン ブラック インターナショナル』(ネタバレあり)
「MIBに似て非なる何か」を見せつけられた
もう最初に断言しておきますが、今回の『メン イン ブラック インターナショナル』は、MIBの名を関した作品として最悪の出来です。
ただ、MIBシリーズの名前を借りてこなければ、誰が見るんだこんな駄作・・・案件であったことも間違いないです。
基本的にこのブログでは、映画の良いところは膨らまし、悪いところにはある程度目を瞑るというスタンスなのですが、それにしても今作に関しては酷すぎて擁護のしようもありません。
https://www.rottentomatoes.com/m/men_in_black_internationalより引用
観客のスコアが72%もあることにただただ驚きなのですが、批評家層からの支持率は25%と断トツのシリーズ最低となっています。
とにかく今回の『メン イン ブラック インターナショナル』は、MIBシリーズなんですが、見ていて終始「これじゃない感」を漂わせているという気味の悪い作品でもあります。
確かにウィル・スミスもトミー・リー・ジョーンズも今作には登場しません。
ただこの2人がいなくなったからと言ってMIBシリーズ作品が必ずしも作れなくなるとは思いません。
しかし、今作は本当に表面的なところばかりの模倣に手を付けてしまって、肝心のMIBシリーズらしさに全くと言って良いほどに踏み込めていません。
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サングラスをかけた黒いスーツのエージェント。
銀色の光沢を放つガジェットの数々。
記憶を消去するニューラライザー。
エージェントFことパグ犬エイリアンのフランク。
見慣れたエイリアンたちの数々。
確かにそこにあるのは、かつてMIBシリーズを構成していた要素であるわけですが、それらがきちんと作品に散りばめられているにも関わらず、今回の映画は悪い意味でMIBっぽくないんです。
Fゲイリーグレイ監督らしさが全く感じられないと思っていたので、こういうのが漏れ聞こえてくると腑に落ちる。「ミニミニ大作戦」や「ストレウトアウタコンプトン」みたいな掛け合いを肝にした傑作を撮ってる監督なわけで。それでMIB:Iのあの出来は不可思議の域…。 https://t.co/HB5lq6JgY6
— ナガ@映画垢🐇 (@club_typhoon) 2019年6月18日
こんなツイートをしましたが、引用先の英文記事を読んでみると、どうやら製作段階でかなりゴタゴタがあった模様で、当初の脚本がかなり書き換えられたり、キャスト陣のセリフも変更させられたりしていたようですね。
やっぱり製作段階で起こったゴタゴタが後に表ざたになるような作品は良くないですよね・・・。
バディムービーとしての魅力の欠如
MIBシリーズにおいてメインキャスト2人の掛け合いや関係性の描写は最重要項目と言っても良い作品の構成要素だと思います。
シリーズ第1作はその点でこの上なく優れていて、それが人気を博した大きな理由でもあると思います。
ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズって当時は俳優のキャリア的に言うと、まさに先輩と後輩という立ち位置でした。
テレビ映画に数多く出演し、『JFK』や『逃亡者』でその演技力を高く評価されてきたトミー・リー・ジョーンズ。
一方で『インディペンデンスデイ』が大ヒットし、まさに今が旬の駆け出し俳優だったウィル・スミス。
この2人の俳優としての関係性をキャラクターの関係性にも反映させたことが、MIBシリーズ第1作の大きな魅力でもありました。
粗野な元警察官の新人エージェントであるウィル・スミスと既に伝説のエージェントとして君臨するトミー・リー・ジョーンズという関係性に不思議な説得力がありました。
まあた劇中の2人の掛け合いを見ていても、とりわけ勢いがあり、ひたすらに喋り続け表面的に見ると主導権を持っているのがウィル・スミス演じるJです。
しかし、少し抜けたところがありながらも要所要所できちんとJのメンターとして機能し、いざというときに頼りになる存在でもあるのがトミー・リー・ジョーンズ演じるKなんですね。
その上で会話のジョークやちょっとしたシーンのユーモアがセンスに溢れていて、オフビートなノリの作品ではあるんですが、きちんと計算されて作られていることが伝わってきます。
一方で、今回の『メン イン ブラック インターナショナル』は、どちらかと言うと、前作との差別化を図るために敢えて未熟な2人のエージェントを主人公に据えるという意向だったんでしょう。
キャストを見てみると、既に『マイティソー』シリーズなどでスターとして君臨し、「2018年ハリウッドで最も稼いだ俳優」の4位にランクインするような俳優クリス・ヘムズワース。
そして『クリード』シリーズで注目を集め、次世代のスターとして期待される駆け出しのテッサ・トンプソン。
未熟な2人のエージェントを主役にして物語を展開しようとした割に、キャスティングはオリジナル版の2人の関係性にすごく引っ張られているような気もします。
それでいて映画本編を見てみると、何故かよく喋る無能なエージェントなのがクリス・ヘムズワースで、落ち着きがあり、関係性の主導権を握っているのがテッサ・トンプソンなんですよ。
さらに、ロンドン支部のエースエージェントなんだと紹介されたクリス・ヘムズワース演じるHは最初から最後まで見ても、ほとんど活躍しない「お荷物」的扱われ様です。
その一方で、新人エージェントであるはずのテッサ・トンプソン演じるMが活躍しまくりで物語の主導権を完全に握っています。
MIBって物語性が高くて評価されたというよりは、VFXブームに乗っかってヒットしたキャラクター映画なんですよ。
ですので、俳優そのもののコンテクストをキャラクターに乗せ、そしてきちんとバディにおける関係性を明確にすることで説得力と魅力を生み出していました。
今回の『メン イン ブラック インターナショナル』は、その点でこのキャスティングにした意図も不明瞭であれば、2人の関係性も確立されておらずバディ映画としてもキャラクター映画としても0点の内容です。
オリジナル版に遠く及ばないユーモア
加えて、MIBシリーズの独特のコメディメイドなタッチとオフビート感を表面的になぞってしまい、その本質を全く継承できていないのが今作だと思います。
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MIBシリーズ第1作の何が凄いってシリアスになるはずの戦闘シーンでも、その独特のオフビート感を失っていないところにあると思うんです。
コメディタッチなアクション映画なんて数えきれないほどあると思いますが、MIBは本来なら緊迫感や緊張感を煽るはずのシーンでも、どこか「抜けた」感じを演出していて、そこがクールなわけですよ。
ラストバトルでさえも、ゴキブリを踏みつぶすことで、ヴィランであるバグを挑発し、その上で倒すという如何せんコント仕立てな勝利方法となっています。
また、徹底した「裏笑い」の演出が非常に冴えているのも特筆すべきポイントです。
個人的に好きなのが、バグが盗んだ宝石ケースから「銀河」を取り出そうとして、ケースを車内で叩きつけているシーンなんです。
このシーンは音楽を含めてシリアスに見せようという意図が若干感じられるんですが、その一方で車外からのアングルを取り入れることで、外から見ると「カーセックス」しているように見えるというユーモアがあるんです。
つまり宝石を取り出そうとしている本人は真剣なのに、傍から見るとすごく間抜けに見えるというある種の「裏笑い」ですよね。
他にもシリーズ第1作でKがパグのフランクから情報を聞き出そうとして、思い切りシェイクするシーンがありました。
これも遠景からその行動を見つめる群集の視点をインサートすることで、ある種の「裏笑い」を取ることに成功していました。
このようにオリジナル版のMIBシリーズはただ正面から笑いを取りに行くだけではなくて、シリアス描写を逆手にとって笑いに変えたり、「裏笑い」の演出を狙ったりと非常にユーモアの趣向が凝らされています。
ここが『メン イン ブラック インターナショナル』は、全くと言っていいほどにできていませんでした。
確かに今作もコメディメイドな作風ではあるんですが、シリアスなシーンはシリアスに、コメディなシーンはコメディメイドにときちんと住み分けをしてある「優秀な」映画にしてしまったんですよ。
笑いを取ってやろうという狙いがあまりにもストレートすぎるので、MIBらしい独特の笑いは失われてしまいました。
オリジナル版MIBが持っている計算されつくした上で成立していた「適当さ」を、表面的になぞり、ただただ適当に作ったのが『メン イン ブラック インターナショナル』だったように思います。
唯一良かったのは最初のシーン?
ここまで批判的なことを書いてきたので、最後に1つだけ個人的に気に入ったシーンを紹介しておきます。
ハイTとエージェントHがハイヴと戦うというシーンが今作の最初のシーンになっているんですが、これが過去作へのオマージュを込めたものであることはお気づきでしょうか?
というのもMIBって絶対にその作品のメインヴィランが登場するシーンを最初に持ってくるんです。
今回の『メン イン ブラック インターナショナル』は、そのルールを破ったと見せかけて、実は踏襲しているという少しウイットに富んだ構成になっていました。
きちんとメインヴィランになるハイTとハイヴを描いていたということになりますからね。
何はともあれ「MIBに似て非なる何か」を延々見せられるという点で苦痛に感じる作品でした・・・。
ジェンダーと人種的な側面から見て
『メン イン ブラック インターナショナル』は、ジェンダーと人種的な側面から見ると、優等生な作りにはなっていたと思います。
そもそもMIBシリーズの宇宙人が地球にやって来て、暮らしているという世界観は様々な人種の人々が混在しているアメリカを表現しているとも言えます。
また、徐々に差別への問題意識が高まり、黒人俳優の映画界への進出も進む中で勢いと人気を兼ね備えていたウィル・スミスと既にその俳優としての地位を確立した白人俳優トミー・リー・ジョーンズが共に戦うという構図が凄く意義のあるものでした。
まさに宇宙人という新たな脅威を前にして黒人と白人の融和が実現した世界を描いていたとも言えるでしょうか。
だからこそシリーズ第3作では、黒人に対する人種差別が蔓延していた時代を舞台に物語を展開しました。
これは1968年生まれで、公民権運動制定後、まだまだ黒人差別が色濃く残っていた時代に幼少期を過ごしたウィル・スミスが主人公だったから非常に強い意味を持っていたとも言えます。
その点で、MIBという作品はB級コメディ映画な雰囲気を有しつつも、社会問題を色濃く反映した作品になっていました。
『メン イン ブラック インターナショナル』も、視点で見ていくと、とりわけジェンダーや人種問題に対する視点が見て取れます。
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まず、クリス・ヘムズワース演じるエージェントHは、完全に近年の「衰退し行く白人」を象徴するキャラクターです。
HはハイTや周囲の人物から、昔はよかったのに、変わってしまったと評されていますよね。
これは言わば、かつてアメリカで栄光の時代を築き上げていたのに、今やどんどんと中産階級を中心に没落する傾向が強まっているアメリカ白人層のコンテクストを反映した設定です。
一方でテッサ・トンプソン演じるMは近年の自立した女性像と「勢いを増す黒人」のアイコンとして登場します。
この近年の社会に見られる白人と黒人の文脈、そして女性の台頭を作品に盛り込むことで、現代社会を反映した世界観を実現しているようには感じました。
ただ、その点で生じた問題だと思ったのが、こういう社会的なコンテクストをキャラクターに投影するという意図が先行しすぎて、キャラクターの魅力を全く描けていないという本末転倒気味だったことですね。
もちろん社会的な問題を映画に反映させていくという点は大切ですし、評価されるべきです。
しかし、それを意識しすぎるがあまり、キャラクターがただのアイコンになってしまって、映画の中で生き生きとしていないというのは映画として大問題ではないでしょうか。
確かにクリス・ヘムズワースもテッサ・トンプソンも非常に演技に長けていますから、脚本がボロボロでもある程度彼らの力でキャラクターを出すことは可能でしょう。
ただ『メン イン ブラック インターナショナル』の脚本は、あまりにも2人の力に頼りすぎですし、脚本段階でキャラクターを掘り下げて、魅力あるものにしようという意図が見えづらいのです。
テーマと物語の乖離
MIBって一見すると適当に見える映画ではあるんですが、そこには彼らがMIBであるが故に生じるテーマを内包させています。
例えば1作目であれば、KがMIBの記憶を消して愛する女性の下へと戻るラストを選びますよね。
当ブログ管理人もこの展開は大好きです。
エージェントとは自分を捨てて活動に従事する存在なんですが、あろうことか伝説のエージェントがその活動を捨てて、記憶を捨てて、愛を選ぶんですよ。
これは、Jという自分の後継者にふさわしい存在が現れたことと、彼への信頼故の行動でもありますよね。
彼がいてくれるからこそ、自分はKという名前を捨てて、1人の人間として生きても良いはずだと思えたのでしょう。
MIBという「存在しないものとして生きる者」たちの悲哀と幸福を描くという意味でもエモーショナルな瞬間でした。
この1作目のラストを台無しにする形で展開されたのがシリーズ2作目ですが、2作目もテーマ性としては非常に良かったと思います。
シリーズ2・3作目がフォーカスしたのは、「MIBエージェントの死」でしたね。
「存在しない者たち」である彼らが死んだ後に何が残るのか?というテーマを突き詰めていくような物語になっていました。
加えて3作目は「家族」という視点も取り入れられシリーズを追いかけてきた人にとっては非常にエモーショナルな展開になっていました。
さて、今回のメン イン ブラック インターナショナル』のテーマは何だったのかと考えてみますと、1作目に近いんですが「MIBになることで何を失うのか?」というものでした。
© 2019 Sony Pictures Digital Productions Inc. All rights reserved.
主人公のモリーは自分の人生は「無」であり、MIBになることで失うものなど何もないのだと語っていました。
そんな彼女が物語の果てに、「MIBになったことで失ったもの」に出会うことができ、実感できたのだとしたら、物語として非常に収まりが良いでしょう。
しかし、今作は冒頭で作品のテーマになる問いを提起しておきながら、それを回収する気がないように見受けられました。
まずMを自立した女性像として描こうとしてテッサ・トンプソンを起用した(しかも彼女はバイセクシャルであると公言している)にも関わらず、最終的な物語の帰結がHに対する恋心というのは、方向性がブレブレでしょう。
百歩譲ってそういう「恋心」という安直な帰結を許すとしても、今作のテーマ性を表現するにあたって、Mが何かを失う結末にすることは必須でした。
個人的には、Hに対して淡い恋心を抱きながらも、再会を予感させて2人は別れるというラストで良かったと思うんです。
具体的には『ファンタスティックビースト 魔法使いの旅』のラストのようなジュブナイルテイストの別れ方が今作の結末にはぴったりだったと思います。
それにも関わらず、何故か今作のラストシーンは、Mが帰ってきてHを乗せて車で空を飛ぶという彼女の喪失感を微塵も感じないものになっていました。
オリジナル版にはない新しい方向性からのテーマの描き方だったと思いますし、きちんと纏められていれば良かったんですが、この映画にはそれが出来ていませんでしたね・・・。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は映画『メン イン ブラック インターナショナル』についてお話してきました。
正直当ブログ管理人的に、2019年上半期のワースト映画はこれになるんじゃないかと思っています。
出来が悪いとかそういう次元ではなくて、「無」なんですよ、この映画は・・・。
全く味がしないので、見て1時間くらいするとニューラライザーで記憶を消されたかのように内容が頭の中から消えていくという作品ですよ(笑)
クリス・ヘムズワースとテッサ・トンプソンが見たいという方には、おすすめしますが、MIBファンにも、映画ファンにも、全くおすすめ出来ない仕上がりであることに疑いの余地はありません。
とは、積極的には言えません(笑)
今回も読んでくださった方、ありがとうございました。