【ネタバレあり】ドラマ「anone(あのね)」第2話:感想:愛を知らなければ、愛せないのだろうか?

アイキャッチ画像:©Nippon Television Network Corporation ドラマ「anone」第2話予告編より引用

はじめに

みなさんこんにちは。ナガと申します。

今週はですねドラマ「anone(あのね )」の第2話についてお話していこうと思います。

良かったら最後までお付き合いください。




あらすじ・概要

 林田亜乃音(田中裕子)はその日、自宅1階の廃業した印刷工場の床下で、大量の1万円札の束を見つけ…。一方、通称“ハズレ”こと辻沢ハリカ(広瀬すず)は、清掃のアルバイトをしながら同年代の美空(北村優衣)と有紗(碓井玲菜)と共にネットカフェに寝泊まりしている少女。スマホのチャットゲームの中でだけ会える闘病中の“カノン”さん(清水尋也)と日々の他愛ない会話を交わすのが楽しみだ。ある日、友人とのドライブ中に札束の入ったバッグが捨てられているのを見たという有紗の記憶を頼りに、 ハリカたちは「柘」という町を目指すことに。「つげ」は、かつてハリカが祖母(倍賞美津子)と暮らした 幸せな記憶のある町の名前で…。一方、医者から半年の余命宣告を受け店を畳もうとしていたカレー屋店主・持本舵(阿部サダヲ)は、の客・青羽るい子(小林聡美)と意気投合し、二人で死に場所を探す旅に出ていた。カレー屋のワゴンで二人が流れ着いたのは柘という町。捨てられた大金がきっかけとなって、出会うはずのない人たちの運命の糸が引かれようとしていた。
ドラマ「anone」公式サイトより引用)

食べ物のモチーフ:人生の裏メニュー

第1話は動物のモチーフが多かったですが、今回は食べ物のモチーフが多く登場したように思いますね。第1話では、るい子は焼うどん、第2話では、お好み焼きを注文していましたね。持本の店はカレーショップですが、るい子は頑なにカレーを注文しようとしませんね。

他にもハリカは自分の友人が、肉まんをポヶットに入れていた話を彦星くんにしていましたね。その時、彦星くんもハリカに自分が肉まんを食べた報告をしていました。

ハリカと亜乃音はラーメン屋に行って、もやしたっぷりラーメンを注文していました。これは彼女の娘が夫と一緒に食べていたものでした。

食べ物は本作で、「お金」というモチーフとある種の対照的なモチーフとして描かれているような気がしました。第1話の記事で指摘したように、本作における「お金」は人間関係を崩壊させるものを意味しているように感じました。

一方で、食べ物は人を結びつけます。ハリカの友人は肉まんを誤って渡したことで見知らぬ通行人と繋がりました。るい子と持本を繋げたのも食べ物でした。そして、ハリカと亜乃音を結びつけたのも食べ物だったと言えます。

また「裏メニュー」という単語も印象的でしたね。裏メニューというと通常、飲食店の店員のまかない的なものが一部の常連の間でも食べられている、というようなものを指しますよね。そしてそれがすごく美味しかったりするわけです。

人間の世界にもそんな一部の人だけが甘い蜜をすすっている場所があるんじゃないかと、そういう話ですよね。現代社会の、いや人間社会の真理を捉えた発言のように感じました。

鮭が熊を襲う

 

 

 

鮭がクマを襲っている彫り物って実は本当にあるんですよね。「食われ熊」と呼ばれているみたいです。クマが鮭を食べるという行為は食物連鎖的に見ると、極めて正常な行為なんですね。ただ鮭がクマを食べるというのは、それを覆す行為であるわけです。

持本とるい子のような社会から追いやられ、自殺まで覚悟したような人間が大金を手に入れようと試みる。自分から搾取し続けた人間に反撃の狼煙を上げる。

この「食われ熊」は本作「anone」の今後を暗示するものなのかもしれません。

亜乃音のニュースを見る習慣

今回一番気になったシーンですよね。ニュースを見る習慣があって、そしてハリカの前でもう見る必要が無くなったことを告げましたね。自分の娘の姿をデジタルカメラの中に見ることができたことも関係しているんですかね?

自分の娘が失踪したために、ニュースをチェックしていれば見つけられると思ったんですかね?それともあの贋札に関係性があるんですかね?このシーンは1つ謎を残したシーンと言えるかもしれません。

愛されたからこそ愛せる?

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< span style=”font-size: x-small;”>©Nippon Television Network Corporation ドラマ「anone」第2話予告編より引用

「接触は愛情の起源」なんて言葉があります。心理学者ハーロウがアカケザルの子供を使って実験をしたことで知られています。

この実験で証明されたのは、「親の愛」を受けずに育った子ザルは社会性を身につけることができず、群れや仲間に馴染む事ができないのです。これは「親の愛」、つまり親に抱きしめられたり、触れられたりすることが、愛情ホルモン(オキシトシン)を分泌するためと言われています。これが分泌されないことが、心身の発達に悪影響を及ぼすのです。

だからこそ理論上は「愛されたからこそ愛せる」というセリフは正しいんです。幼少期に「愛される」という経験をすることで人は正常に心身を発達させることができるのです。ハリカは両親の愛情を受けずに育ちました。それがために彼女は人を愛することを知らないのかもしれません。

一方で亜乃音の娘、玲はきちんと自分の娘に愛情が注げるようになりました。これは亜乃音がちゃんと愛情を注いで育てたことの証明とも言えますよね。

本作はそんな愛情を知らないハリカという少女が「愛」を知る物語という側面もあるのでしょう

そういう意味では「布団」はそんな「親の愛」のメタファーとも言えるかもしれませんね。ネットカフェで暮らすようになってからハリカは「布団」で寝る事はなくなりました。

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©Nippon Television Network Corporation ドラマ「anone」第2話予告編より引用

しかし、亜乃音の家に来て、久しぶりに「布団」で寝ることになりましたよね。そして朝起きると「布団」から出られないわけです。「布団が私を離さない」わけです。これはハリカが久しぶりに感じた「人の温もり」に、「愛情」に心地よさを感じているシーンとも言えるでしょう。

シアンとマゼンタ

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©Nippon Television Network Corporation ドラマ「anone」第1話より引用

これはちょっとした気づきなんですが、ハリカと亜乃音の関係性の発端はあの贋札でしたよね。2人が初めて会った日、そして再会した日(ラーメンを食べに行った日)この時の2人って実は正確にシアン、マゼンタとは言いませんが、青い服、赤い服をそれぞれ着ているんですね。

第2話の中盤で贋札の色組成が明らかになっていましたが、シアンとマゼンタだったんですよね。つまりざっくり言うと青と赤なんですよ。

青(シアン)と赤(マゼンタ)が折り重なって出来た贋札が2人を出会わせたと考えるとこの色彩設定も意味があったのかもしれません。

その後のハリカがパジャマになっているシーンでは、亜乃音も赤色の服ではなくなっていて2人が贋札で結びついただけの関係ではなくなったことを暗示しているようにも取れます。

ちなみにチャットに登場するハリカと彦星君のアバターに使われている色もそれぞれ赤と青なんですよ。この2つの色は本作で今後も注目していきたいポイントですね。

「お金」のモチーフの別視点

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©Nippon Television Network Corporation ドラマ「anone」第2話予告編より引用

第1話の記事でも、そして今回の記事でも本作において「お金」が人間関係を破綻させるモチーフであると考えてみました。ただ前回は1万円札しか登場しなかった一方で、第2話では硬貨や1000円札なんかも登場しています。

硬貨は持本とるい子が橋の上からお金を投げ捨てる場面で、1000円札は朝に猫の餌代兼ハリカの昼食代として亜乃音が渡していました。

1万円札が人間関係を「崩壊」させた一方で、硬貨や1000円札は人間関係の深まりを表現しているようにも取れませんか?

硬貨を投げ捨てるシーンで、持本とるい子がその心の深い部分で繋がり始めたことを感じました。また亜乃音がハリカに1000円を渡すシーンは、まるで2人が親子であるかのように感じられたシーンでした。

これも個人的に第2話の少し面白い描写でした。

おわりに

第2話は第1話に比べると、「溜め回」という印象でしたね。少しずつ物語が動き出したという印象でしょうか?

ただ細かく見ていくと気になるポイントやモチーフはいくつか散りばめられていて、今後の展開を知った上で見ると重要な意味を持つ会になるのかもしれません。

来週も目が離せませんね!!

来週も当ブログでは、ドラマ「anone(あのね)」の記事を扱う予定です。ぜひぜひ読みに来てやってください。

今週も読んでくださった方ありがとうございました。

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