はじめに
みなさんこんにちは。ナガと申します。
今回はですね映画「ブラックパンサー」についてお話していこうと思います。
MCU作品で見ると、アメリカでは『アベンジャーズ インフィニティウォー』を超えて、2番目のヒットを記録したのが、この『ブラックパンサー』になります。
さらに今作はアカデミー賞で3部門受賞、作品賞にもノミネートするなど、非常に高い評価を獲得したのです。
その点を解説した動画を、当ブログの公式YouTubeチャンネルにて公開していますので、良かったらご覧になってみてください!
そして、ブログでは、 動画とは違い、ヴィランのキルモンガーの魅力や作中に登場する小ネタなどについても解説しています。
なおこの記事は作品を鑑賞した方向けになります。ネタバレを含みますので、予めご了承ください。
良かったら最後までお付き合いください。
「ブラックパンサー」
あらすじ・概要
2016年公開の「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」でマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に初登場した新たなヒーロー、ブラックパンサーを主役に描くアクション映画。
アフリカの超文明国ワカンダの若き国王ティ・チャラが、漆黒のスーツと鋭い爪を武器に戦うブラックパンサーとして活躍する。
絶大なパワーを秘めた鉱石「ヴィブラニウム」が産出するアフリカの国ワカンダは、その恩恵にあずかり目覚しい発展を遂げてきたが、ヴィブラニウムが悪用されることを防ぐため、代々の国王の下で、世界各国にスパイを放ち、秘密を守り通してきた。
父のティ・チャカの死去に伴い、新たな王として即位したティ・チャラは、ワカンダの秘密を狙う元秘密工作員の男エリック・キルモンガーが、武器商人のユリシーズ・クロウと組んで暗躍していることを知り、国を守るために動き始めるが……。
主人公ブラックパンサー=ティ・チャラ役はチャドウィック・ボーズマン。監督を「クリード チャンプを継ぐ男」のライアン・クーグラーが務め、同作で主人公クリードを演じたマイケル・B・ジョーダンが、ブラックパンサーを追い詰める強敵エリック役で出演。
(映画com.より引用)
監督:ライアンクーグラー
いやはやライアン・クーグラー監督は本当に素晴らしいですよね。
『ロッキー』シリーズのスピンオフであり、リブートとなる『クリード チャンプを継ぐ男』で高い評価を獲得しました。
リブートとしても傑作ですし、1本の映画としても傑出した出来でした。
そんな監督が作るヒーロー映画ということで『ブラックパンサー』には嫌でも期待が高まりますよね。
「ブラックパンサー」感想
MCU最高傑作・・・とまではいかないが、良作だ
北米大手批評家レビューサイトのRotten Tomatoesでも何と97%の支持を得ている(2月27日時点で)映画「ブラックパンサー」ですが、興行的にも大成功を収め、MCU最高傑作との呼び声も高いです。
ただ私個人の感想としては、ちょっと物足りなさも残る印象です。
アメコミヒーロー映画としてはまさに異色な本作は、とにかく政治臭が強いです。
主人公が国王であるという設定ももちろん関係しているのでしょうが、それにしても現代世界情勢ないしアメリカ情勢を絡めすぎていて、見ていて息苦しいです。
昔から映画というものには政治的主張ないしプロパガンダ的な側面があることは否定できませんが、本作はその側面が非常に目立っていました。
これをどう受け止めるかでかなり好みが分かれる映画だと思いますし、絶賛一色にはならないことは予見できますね。
また本作はアクションシーンの画力が弱いです。
ブラックパンサーというヒーローの性質上夜の闇に紛れて、戦うというのは当然セオリーになってくるわけですが、それにしても暗闇の何が起こっているのかが分かりにくかったです。
また終盤のワカンダでの民族大乱闘も、スターウォーズよろしくの戦闘機バトルも既視感のある映像でしたし、全体的に熱くなれるアクションシーンが乏しかったように感じました。
良かった点としては、まずテーマ性がしっかりとしていた点ですね。
先ほど本作の欠点としても指摘した政治的な香りですが、これは本作の長所でもあります。
これまでのMCUがもう一歩踏み込みきれなかった現代の世界情勢にフィクションではありながら一石を投じるという内容がこの作品が支持を獲得した理由だと考えています。
また劇伴音楽は素晴らしかったですね。
ヒーロー映画とは思えないようなメロディーの劇伴がずらりと並んでいるのですが、そのどれもが「ブラックパンサー」の世界観にぴったりとマッチしていて、非常に熱くなりました。アクションシーンの視覚的な乏しさを何とか劇伴音楽が補完してくれていました。
最後に今作のヴィランであるキルモンガーは個人的にですが、MCUのヴィランの中で最も魅力的なキャラクターだと感じました。その理由は後ほど詳しく解説しようと思います。
総評としましては、MCUの中でも異色作で、賛否は別れる内容ですが比較的良作だった、という印象ですね。
『ブラックパンサー』解説
当ブログ管理人が発見した「ブラックパンサー」5つの気づき
当ブログ管理人はMCUは何とか追いかけている程度で、マーベルのコミックスなんて読んだことがないいわゆる「にわか」でございます。
そのためコミックに関するオマージュ等はさっぱり分かりません。
そんな中で私が個人的に気がついた映画「ブラックパンサー」5つの気づきを今回はご紹介してみようと思います。
007の影響を受けてる?
(C)Marvel Studios 2017 映画「ブラックパンサー」予告編より引用
映画「ブラックパンサー」は007シリーズの影響を多分に受けている作品だと思います。
本作にはCIAに所属するロス、キルモンガ―やワカンダのスパイであるナキアといったスパイエージェントが数多く登場します。この時点で本作がスパイ映画的側面を持ち合わせていることはまず間違いありません。
そして本作に登場するガジェットや展開は007シリーズを彷彿させます。
例えば透明になる車ですよね。これは「007 ダイ・アナザー・デイ」に登場しました。
他にもカジノで行われる取引現場に潜入するという展開は、「007 カジノロワイヤル」を想起させます。
また夜の街でのカーチェイスなんかは、「007 スペクター」やその他の作品でも印象的なシーンです。
このように映画「ブラックパンサー」は世界的スパイ映画の007を想起させる物語展開であったり、ガジェットに溢れていました。
自動で装着される足のスーツはあの映画のオマージュ?
映画「ブラックパンサー」の作中で、シュリが自動で装着できる脚用のスーツを開発しているんですよね。そしてティチャラがそれを装着するシーンでシュリはその装備をとある映画にインスピレーションを得たことを話していました。
その映画というのはおそらく「バックトゥザフューチャー2」ですよね。この作品には自動で靴紐を結んでくれるスニーカーが登場しました。
「”また”白人の治療?」というシュリのセリフ
重傷を負ったCIAのロスをワカンダに搬送してきたときに、シュリがティチャラに向かって「”また”白人の治療?」という旨の発言をするんですね。
これってつまりバッキ―のことですよね。映画「キャプテンアメリカ:シビルウォー」のラストでバッキ―はワカンダに運び込まれていたという映像が流れました。
つまり本作「ブラックパンサー」の時系列というのは、ティチャラの国王即位が彼の父が死んだキャプテンアメリカ:シビルウォー」の一件から1週間後であることが明かされていましたが、このシュリのセリフがあったことで、本作の時系列が「シビルウォー」よりも後であることが明確になりました。
ポストクレジットの演説シーンに秘められたキーワード
(C)Marvel Studios 2017 映画「ブラックパンサー」予告編より引用
後に本作のポリティカルな側面については解説を加えようと思っていますが、ポストクレジットに登場するティチャラの演説シーンで彼は非常に面白いキーワードを取り入れています。
それが「壁」という言葉です。これは現アメリカ大統領であるドナルド・トランプ氏が大統領選挙の公約で打ち出していた内容です。アメリカとメキシコの国境に壁を作って、不法入国者を取り締まるという内容でした。
そのトランプ氏が掲げる「壁」が人類のためにはならないのだというメッセージを映画「ブラックパンサー」は掲げているんですね。やはりハリウッド映画界は民主党寄りなんですかね?
スターウォーズ感があるシーン多くない?
(C)Marvel Studios 2017 映画「ブラックパンサー」予告編より引用
ディズニーがスターウォーズの映画化権を持っているわけですから、ある意味当然と言えば当然なのかもしれませんが、映画「ブラックパンサー」にはスターウォーズを想起させるシーンが数多く登場しますね。
例えば、CIAのロスがヴィブラニウムを外の世界に持ち出そうとする戦闘機を打ち落とそうとするシーンですよね。このシーンはまさしくスターウォーズのコンバットバトルを想起させます。
心なしか映画「ブラックパンサー」に登場する飛行機はミレニアムファルコンやXウイングのデザインを彷彿させますね。
またワカンダでの民族大乱闘もスターウォーズで見たことがあるような感じがしましたね。他にも本作のラストに登場するあの夕日のシーンは「スターウォーズ:新たなる希望」「スターウォーズ:最後のジェダイ」をイメージして撮影したのではないでしょうか?
あと最初に登場した時のシュリの髪型がレイア姫に似てましたね。これは偶然でしょうか。
コミックに関する小ネタはたくさんあるんだと思いますが、私には分かりかねますので、詳しい方にお任せします。映画ファンとしての気づきはこのくらいでした。
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ポリティカルムービーとしての「ブラックパンサー」
本作は先ほども感想のパートで書いたように極めてポリティカルな側面が強い映画です。その点を避けては語れない内容であることは間違いありません。今回はそんな「ブラックパンサー」を政治的側面からも見てみようと思います。
まずは黒人解放的な側面から見ていきましょう。
それを考えるに当たって極めて重要になってくるのがカリフォルニア州オークランドという地名です。これがなぜ重要なのかと言いますと、ここは1967年にブラックパンサー党が発足した場所だからなんですね。
ただこの党は皆さんが想像するような政党ではないんです。
確かにキング牧師の公民権運動の流れを汲んでいたと言えばそうなんですが、彼が掲げていた非暴力なんて考え方は放念していて、民族主義、共産主義に傾倒していて反白人を掲げる過激な政党だったんです。
ニューヨークで爆破未遂を起こしたこともあったりして、アメリカでは危険視され、弾圧されていた政党でもあります。
このブラックパンサー党は現在も反白人・反ユダヤ的な考え方を信奉する政党として小規模ではありながら存続しています。
オークランドからキルモンガ―という極めて強い反白人精神を持ったヴィランが誕生したこと、そして本作のラストにティチャラがオークランドに人道主義を掲げる施設を設立したことは強い政治的メッセージだと思います。
また細かいシーンですが、ジャバリ族のエムバクの下をシュリやナキアたちが訪れた際に白人であるロスに対してエムバクが「お前の話を聞くつもりはない。次に口を開いたら殺す。」という趣旨の発言をするんですね。
これって白人が黒人に対してしてきた人種差別を構図を逆にして見せているシーンだと思うんです。エムバクはその後「冗談だよ。」と弁解していましたが、細かいシーンにも人種差別を想起させる要素が組み込まれていました。
キルモンガーが着ていたスーツも面白いですよね。彼のスーツってジャガーをモチーフにしてるんですが、ジャガーの生息地は主に北アメリカ大陸南部、南アメリカなんです。これって現在トランプ政権の焦点になっている地域と合致しますよね。
また作品に登場するキャラクターがほとんど黒人であるために、ロスのような白人のキャラクターが逆に映画の世界でマイノリティになっているという設定も上手かったですね。
そして政治的な側面から見ると、本作はまさに現代のアメリカに対して警鐘を鳴らす映画となっています。
まずティチャラの父や本作冒頭のティチャラは極めてドナルドトランプ的な考え方でしたよね。ワカンダの技術を外の世界に出すことは決してしようとしませんし、戦争を外の世界に持ち出そうともしません。
ワカンダ国王はワカンダ国民の幸せだけを追求するのです。外からの移民や難民の受け入れは問題の原因になるため、断固拒否の姿勢を見せているのも重要です。
これはまさしくドナルドトランプ大統領をモチーフにしていて、移民や難民をアメリカから締め出し、「世界の警察」であることを放棄し、自国民の幸せだけを追求する”Make America Great Again!”を掲げる彼そのものですよね。
一方で本作のヴィランであったキルモンガ―は「世界の警察」を自称していた頃の好戦的なアメリカを想起させますよね。「平和」だの「人道主義」を掲げていながら、世界のあちこちで起こるいざこざに顔を出しては戦争をしてきました。
そしてそのアンチテーゼこそが作品終盤のティチャラになっています。彼は「壁」を無くし、自分たちが持つヴィブラニウムや技術力を世界に広めることで、1人でも多くの人を幸せにしようと決心し、ポストクレジットでの演説シーンに至りました。
これは豊かさや富、技術力を持っていながら自国の利益のためにそれを途上国や貧しい国に積極的に分配しようとしないアメリカないし先進国を批判的に捉え、それに対するカウンターとして打ち出されたようにも取ることができます。
このように映画「ブラックパンサー」は政治的な問題や人種的な問題、移民、難民、貧困問題など様々な今日の諸問題を取り込んだまさにポリティカルムービーになっています。
これをどう捉えるかでかなり好みは別れてくるところでしょうね。
キルモンガーはなぜMCU最高のヴィランなったのか?
(C)Marvel Studios 2017 映画「ブラックパンサー」予告編より引用
やはり「ブラックパンサー」において特筆すべきは本作のヴィランであるキルモンガーだと思いますね。個人的にはMCU史上最高のヴィランだと思っております。
キルモンガーを演じたのはマイケル・B・ジョーダンという俳優で、何とあの映画「クリード」で主演を務めているんですね。さらに言うと映画「ブラックパンサー」と「クリード」は監督が同じ人です。
しかしキルモンガ―はキャラクターそのものに魅力があったり、ヴィジュアル的に優れているというわけではないんですよね。
確かにパプアニューギニアのクロコダイルスキンを想起させる殺した人の数だけつけられた体の傷跡はインパクトがありますが、やはり印象的にはそれほど強くありません。
つまり「ブラックパンサー」という物語そのものがキルモンガーというヴィランを輝かせているんですよ。
冒頭に流れるワカンダの伝承についての解説映像なんですが、誰しもが野暮ったいだとか蛇足だと感じると思うんですよ。
確かに世界観の説明は重要ですが、あんな露骨な説明の仕方を天下のMCU作品でやるだろうかと思わず首を傾げた人も多いでしょう。
本編ではあの映像の後に若かりし頃のヌジョブとズリが映し出されます。鑑賞している人は「あ、この映像はワカンダ人であるヌジョブがズリにワカンダの伝承を聞かせているという設定だったんだ。」と想像しますよね。
で、物語を見進めていくと「あ、これはティチャカがティチャラに話していた内容だったんだ。」と納得してしまう方も多いでしょう。
ただ本編を見終えた後に、あのワカンダの伝承説明映像をもう一度思い出して見て欲しいんです。そうするとあの映像の真の意図が見えてきませんか?
あの冒頭の映像のナレーションはヌジョブなんですよ。
そうなんです。あの映像っておそらくヌジョブが自分の息子であるキルモンガーに自分の生まれ故郷であるワカンダについて話していたという設定なんですよ。そう考えると泣けてきますよね。
自分の父親の死を目の当たりにしてしまって、その後ひたすら「おとぎ話」のような父親の故郷の伝承にひたすら取りつかれて、それだけを頼りに生きてきた、そういう男なんですよキルモンガーは。
(C)Marvel Studios 2017 映画「ブラックパンサー」予告編より引用
身体に無数に刻まれた傷の数だけ人を殺め、父親の無念を晴らすためだけに、ヌジョブが子供の頃に話してくれた実在するのかどうかも分からないワカンダの伝承を信じ続けたんです。こんなに悲しく、思い過去を背負ったヴィランがいたでしょうか?
そんな彼がハーブのエキスを飲んで、父親と再会するシーンは涙が止まりませんでした。
子供の頃「おとぎ話」のようにワカンダの話を聞かされていた幼少期のキルモンガーとワカンダの国王の座を奪い取った現在の彼がリンクして綴られる映像。思わず涙するキルモンガー。
映画「ブラックパンサー」はもうキルモンガーが主人公でも良くないですか?と思えてしまいます。
そしてキルモンガーをMCU最高のヴィランたらしめたのは、やはりティチャラの存在ですよね。というのもティチャラとキルモンガ―は共に父親を殺されていて、そしてワカンダの国王の座を巡って戦っているという点で主義・思想こそ異なるものの非常に近い境遇とも言えるんです。
そう考えたときに思い出されるのが今年の1月に公開された映画「キングスマン:ザゴールデンサークル」なんですね。あの映画で主人公エグジーとヴィランであるウイスキーは非常に似た状況に置かれていましたし、どちらにも正義があるという状況が作り出されていました。
映画「ブラックパンサー」も同じなんです。ティチャラとキルモンガーは確かに主義・思想は違いますが、どちらの考え方にも一定の正義があるんです。キルモンガーの考え方は確かに過激ですが、100%否定できるものでもありません。
この手の物語において主人公がヴィランを倒して終わりという単純な勧善懲悪劇をやってしまうと、すごく遺恨を残すんですよね。
どちらにも正義があったのに・・・?ってなってしまって消化不良になってしまうんです。それがまさしく「キングスマン:ザゴールデンサークル」が失敗した1つのポイントですね。
ただ映画「ブラックパンサー」はそんなミスはしません。確かにティチャラがキルモンガ―を倒すという構図自体に変わりはないのですが、そこにきちんと「救い」があります。
父親から何度も聞かされてきた「世界一美しいワカンダ」を最期の最期でその目に焼き付けます。
幼少の頃から「父親」と「ワカンダ」というしがらみにとらわれ続けたキルモンガ―の思いが静かに昇華していく瞬間でもありました。
しかしこれこそが彼にとって何よりの救いだったのです。だからこそ彼はこれ以上生きることは望みませんでした。
彼は幼いころから追い求めた「おとぎ話」が真実だったと知ることができました。それこそが父ヌジョブの存在の肯定でした。そして彼の死がティチャラに影響を与え、ポストクレジットの演説シーンへと繋がります。つまり、ヌジョブの死もキルモンガーの死も肯定されたわけです。
MCU史上最高であり最哀のヴィランの誕生に涙が止まらなくなりました。
そしてこの映画キルモンガーを引き立たせるとともに、ティチャラが「父を超える瞬間」を演出しているのがまた憎いんですよね。
父であるティチャカは弟を殺し、その息子を放置して去りました。しかしティチャラは宿敵キルモンガーに夕日を見せ、そして彼を生かす道を模索します。このシーンはまさに彼が父を超えた瞬間だったと言えるでしょう。
ヴィランが魅力的なヒーロー映画は素晴らしいと個人的にはいつも思っているんですが、映画「ブラックパンサー」はヴィランがヒーローをはるかに凌いで魅力的という何とも複雑な作品になっていました。
ただそれでいてメインのブラックパンサーないしティチャラの魅力もしっかりと出せていましたし、彼の父を超える物語、王としての自己を見つけ出す物語としても厚みがありましたので、素晴らしかったと思います。
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おわりに
いかがだったでしょうか?
今回の「ブラックパンサー」は「アベンジャーズ:インフィニティウォー」に直結する映画だ!!という宣伝文句を嫌と言うほど聞かされたような気がするんですが、そんなに直結するというほどでしたかね?
確かにエンドロール後のシーンは重要な布石なんだと思うんですが、うーん・・・。MCUはいつもエンドロール後のシーンの真意がイマイチ分からないので、困惑してしまいます。
詳しい方良かったらコメント欄でご一報ください。
とにかくヒーロー映画というよりもポリティカルな側面が目立ったMCUの中でも異色の作品で、しかもヒーローよりもヴィランが輝くという奇妙な作品でした。
MCU最高傑作とは言いませんが、間違いなく高水準の作品だったと思います。
今回も読んでくださった方ありがとうございました。
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